エルダー2022年12月号
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定年延長にともなう退職金制度の見直しを検討しよう!5第回制度、生涯現役時代生涯現役時代のの仕組みづくり高齢社員活躍支援ののポイントポイント高齢社員活躍支援1雇用延退長職に金と制も度なのって見人直事し制方度法(等級・評価・賃金制度)の見直しを行う際、企業によっては退職金制度の見直しが課題となります。特に、定年延長にともなって退職金の計算期間を延ばすかどうか、という点は企業側にとって非常にむずかしい問題です。各社が採用している退職金制度の内容によっても検討すべき課題は異なります。例えば退職一時金制度を例にとると、大半の企業では、いわゆる「最終給与比例方式」(退職金の支給額が、退職時の基本給×勤続年数に応じた支給率により決定される)が採用されています。この方式では、一般的に退職金のカーブは勤続年数が長くなるごとに上昇幅が大きくなっていきますので、仮に60歳⇒65延長によって5年間退職金の計算期間が延長される(その間に基本給が増加し、勤続年数別の支給率が増加する)ことになると、会社の想定以上に退職金の負担が増加するおそれがあります(図表1)。あり、退職金制度の詳細、設計方針は各企業によってさまざまです。仮に定年延長にともなって退職金が増加したとしても、高齢社員のモチベーションアップが見込まれるため許容するなど、積極的な投資としてとらえる企業も存在するでしょう。える工夫が必要と考える企業が大半でしょうし、退職金制度の問題がネックになって定年延長の検討が進んでいないという企業も少なくありません。業年金制度(ここでは、確定給付企業年金=DBおよび、企業型確定拠出年金=DCを想歳への定年定)を採用している企業においては、見直しにあたって法令上の制約を受けることもあるため、より注意が必要になります。もちろん、上記はかなり一般化したモデルでとはいえ、総額人件費の上昇をできるだけ抑また、自社の退職金制度の運用方法として企42株式会社新経営サービス 人事戦略研究所 マネージングコンサルタント 森中 謙介 高齢社員活用施策の一環として雇用延長を行うにあたり、一般的に退職金制度の見直しは大きな課題となります。例えば60歳から65歳へ定年延長を行う場合で、退職金の計算を5年間延長すれば、退職金が大幅に増加する企業が増えるでしょう。社員にとってはメリットが大きい反面、会社側としては経営に与える影響を慎重に考える必要があります。 第5回では、定年延長のケースを中心に、定年再雇用の場合も含めて、退職金制度の 見直しを行う際のポイントについて解説を行います。

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