エルダー2022年12月号
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元気度ポックリ型とジックリ型平均寿命、平均余命と健康寿命若いころは夏はサマースポーツ、冬はウィンタースポーツを楽しんで元気だった人も、仕事を始めてから定期的に運動することもなくなり、30歳を過ぎたころにはお腹が出てきて、40代になると高脂血症や糖尿病を指摘される。やがて血圧など心血管疾患の危険因子も少しずつ高くなり、身体のなかで動脈硬化が進み、定年後に心筋梗塞や脳梗塞などを発症し、その結果介護が必要となる人がいます(図表1)。外来で患者さんの話をきいていると、「特に長生きはしたくない。ポックリと逝きたい」といわれる方が増えてきたような気がします。しかし、「普段の生活はどうか」とたずねてみると、ポックリではなく、だれかのお世話になるジックリ型の不健康な生活を送っている人も多いような気がします。健康で、より長く働き続けるためにも、元気でいられる寿命である「健康寿命」を延ばすにはどうしたらよいのでしょうか。そこで、「あなたはポックリ型?ジックリ型?」と題して、健康寿命の基礎知識と健康寿命にかかわる生活習慣について解説していきます。平均寿命とは、「生まれたばかりの0歳の赤ちゃんが、あと何年生きることができるか」ということです。最新のデータ(厚生労働省「令和3年簡易生命表」)では、男性の平均寿命はそれとものが平均」と考えるのは間違いです。60歳の平均余命をみてみましょう。60歳まで生きた男性 70歳までの就業機会確保が企業の努力義務となり、時代はまさに「生涯現役時代」を迎えようとしています。高齢者に元気に働き続けてもらうためには、何より「健康」が欠かせません。 働く高齢者の「健康」について、坂根直樹先生が解説します。独立行政法人国立病院機構京都医療センター臨床研究センター予防医学研究室室長坂根 直樹第1回あなたはポックリ型? それともジックリ型?肥満喫煙飲酒運動不足ストレス※ 筆者作成メタボ高血糖高血圧脂質異常脳卒中心筋■塞骨折健康寿命40代働き盛り50代管理職60代定年70代80代セカンドライフ要介護寝たきり認知症寿命90代60歳の人がその数値をみて、「81歳まで生きる81・47歳、女性は87・57歳になります(図表2)。図表1 延命ではなく、健康寿命を延ばそう!20代入社30代結婚2022.1250新連載活き活き者働くための働くための齢高のの健康ライフ健康ライフ健康ライフHealthy Life for the elderly

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