エルダー2023年1月号
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キャリアを形成していくのかに目を向けてもらっています。全社員に対してキャリアプランシートとキャリア面談を実施していますので、なかには「今年で定年だけどやらなくちゃいけないの?」とご相談いただくことはありますが、高齢社員にも例外なくキャリアプランを立ててもらっています。大木 IT人材となると、特に常に新しい知識・技術の修得が求められると思うのですが、中・高齢社員の知識・技術のアップデートというのはどのようにされているのですか。たしかに技術の入れ替わりはとても激し森田 い状況ですので、「自分から新しい技術を学ぶ」というところが社内風土のベースにあると思います。本人が自発的に学んでいる一面もありますし、一方で会社として受けてほしい講習などもあるので、一人当たり年間10万円ほどの教育予算を確保して、部門ごとに育成計画を立てて、知識・技術のアップデートを行っています。もちろん、技術だけではなく、コミュニケー  ションが得意な方などもいるので、例えばお客さまの課題をヒアリングして、開発の具体的なプロジェクトへの橋渡し役として貢献している高齢社員もいます。最新の技術を追いかけるだけではなく、いろいろな分野、活躍の場があると考えています。当社の研修制度は若手社員を対象とした喜多 ものが中心で、30代以降はマネジメント研修を年1回行う程度です。社内研修が少ない分、人事から「こういう外部研修があります」などの案内を行っていますが、受講は本人次第というのが現状です。ただ、2022年は「資産形成について」というテーマで動画配信を行っています。新入社員も含め30代ぐらいでこれからお金がかかっていく世代から、セカンドキャリアを見すえた60代まで、全世代を対象としたものです。分で勉強して貯蓄や投資を行いますが、そうでない場合は日々の生活にお金を使うだけになってしまうこともありますので、生活の安定について考えるきっかけになればと思い開催したものです。まだ始めたばかりの取組みなので、今後はもっと充実させようと考えています。大木 応があらゆる産業で求められていますね。一方マネーリテラシーは興味のある人であれば自高齢者雇用とDXへの対応重要なのは個々の能力を活かせる場所能力開発という面でいうと、DXへの対トラスコ中山株式会社 経営管理本部 人事部 部長 喜多智弥氏12◎業種 プロツール(工業用副資材)の卸売および◎従業員数 1,632人60歳以上:598人(内訳)60〜64歳:◎高齢者雇用制度 定年65歳、基準該当者を70歳まで再雇用。70歳以降はパートタイマーとして75歳まで勤務可能◎役職定年制度 62歳自社ブランド「TRUSCO」の企画開発(2021年12月末現在)(社員147人、パート451人)(社員109人、パート210人)65〜69歳:(契約社員36人、パート163人)70歳以上:(パート80人)トラスコ中山株式会社

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