エルダー2023年1月号
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高齢者雇用は早い段階から会社と本人が意思疎通を図っておくことが運用の秘訣みなさんのお話をお聞きして、70歳雇用そして何より、この三つの対応は60歳が目前実際に70歳雇用に取り組まれているみなさんできる仕組みが必要だと思います。最終的には一人ひとりの社員が「周囲から認められている」、「会社に貢献できている」ということを実感できる評価の仕組みが重要だと思います。これから70歳雇用に取り組まれる場合、定年    によって変わってくると思います。しかしいず延長とするのか、再雇用なのか、どんな仕組みにするかはそれぞれの企業が置かれている状況れの場合でも、貢献意欲が高まるような形の施策を一緒に組み込んでいくことが必要だと思います。森田 当社では一定の再雇用条件を設けていますが、条件には合致しなかったけれどもご本人も働きたい、部署からも継続して働いてもらいたいという声をいただくことがあります。ここにまだ対応しきれず、制度として用意がないのが課題ではあります。一方で、全世代を通じて実力主義を推進してきたので、定年前後にスポットをあてて処遇を変える必要がないところが、当社の取組みの特徴です。一貫性のある制度で運用・再雇用を導入した一つの事例として、参考にしていただければと思います。先ほどもお話ししましたが、「若手の指喜多 導役をになってもらう」というねらいから、58歳時から「コーチ」という呼称を用いる仕組みがあったのですが、実際に「コーチ」になった人の話を聞くと「一線を退いた」と受けとめてしまい、仕事に対する意識が一歩下がってしまう、という問題が生じました。これを受けて「コーチ」の仕組みは廃止しましたが、「高齢社員を特別扱いしない」というのは、高齢者活用を考えるうえで大事なポイントではないかと感じています。また、役割を明確にして「あなたにはこういうことを求める」ということを、若手社員に行う以上にはっきりと示してあげるのも大きなポイントだと思います。大木 を成功させるためのポイントが見えてきました。まず仕事や役割を明確化して、社員側と企業側双方が共通の理解を持つこと。そして、それぞれの社員とコミュニケーションを取り、その人の個性や強みをしっかりと把握しておくこと。そのうえで、本人と人事部、職場の管理職の三者がお互いにコミュニケーションを図り、現在の状況について把握すること、が重要になるということですね。になったから急にやろうとしてもできることではなく、早い段階から人生の後半を見すえた形で、企業と本人がうまくソフトランディングできるような形で話し合っておくとよいということだと思います。のご苦労や課題などをおうかがいすることができ、多くの読者の参考になったと思います。本日はありがとうございました。15座談会の様子

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