エルダー2023年1月号
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遇されることになります。の高齢社員層の離職者の中心が60代前半であったことと、定年延長にともなう総額人件費の上昇を見込んだ際、現実的に許容できる範囲が63歳までであったことがあげられます。もちろんこれは途中段階としての決定であり、将来的には65歳あるいはそれ以上への定年延長を見込んでの措置となります。延長後の新制度では、63歳までの期間は基本給の減額をなくしています(管理職、非管理職とも)。63歳以降は従来通り再雇用となるため、その時点で一定の減額がなされますが、旧制度の63歳以降の水準と比べても引上げは行われています(図表2)。同社の高齢社員層を中心に好意的に受け止められ、その後、目立った離職は抑えられています。とはいえ、これで改革が終了ということではなく、A社のトップは、内外の経営環境を注視しつつ、必要なタイミングで65歳への二段階目の定年延長も視野に入れているところです。継続雇用制度により希望者を65歳まで雇用)では一般的な定年後再雇用制度を採用しており、仕組みです。65歳以降の雇用に関しては対象社員との個別労働契約において雇用を続けている次に、賃金制度の扱いについてですが、定年A社の定年延長にともなう人事制度改革は、中堅製造業のB社(60歳定年制、定年後は定年後再雇用制度から、65歳への定年延長と70歳までの再雇用制度への見直し29※ 新経営サービス人事戦略研究所作成資料※ 新経営サービス人事戦略研究所作成資料図表1 A社の旧制度再雇用に役職区分ともなう処遇減額ルール管理職基本給減額非管理職基本給減額図表2 A社の新制度再雇用に役職区分ともなう処遇減額ルール管理職基本給減額非管理職基本給減額60歳定年後は希望者が65歳まで継続雇用される 63歳までとした中心的な理由としては、A社60~61歳61~62歳62~63歳63~64歳64~65歳旧定年再雇用開始基本給×100%基本給×90%60~61歳61~62歳62~63歳基本給×100%基本給×100%再雇用基本給×基本給×90%90%基本給×基本給×80%70%基本給×100%基本給×100%基本給×100%基本給×100%再雇用満了基本給×基本給×70%60%基本給×基本給×60%50%63~64歳64~65歳新定年再雇用開始再雇用満了基本給×基本給×80%80%基本給×基本給×80%80%生涯現役時代生涯現役時代のの高齢社員活躍支援ののポイントポイント高齢社員活躍支援B社の事例

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