エルダー2023年1月号
33/68

行うのに60歳以後の賃金水準が下がることについて一部否定的な意見も見られましたが、現行の再雇用制度と比べて生涯賃金ベースで増加すること、雇用の安定を最優先とし、やりがいのある組織環境整備を継続的に推進していくという会社方針を打ち出したことが、制度見直しの理解・納得度につながったものと思われます。以上で、全6回の連載は終了となります。「生涯現役時代の高齢社員活躍支援のポイント」と題して、企業の制度、仕組みづくりについて解説を行ってきました。改めて、高齢社員の活躍がどの程度求められるかについては、各企業の置かれた状況によってさまざまです。定年延長を含めた制度改革が急務という企業もあるでしょうが、実際にはまだまだ様子見段階というところも多いことでしょう。しかし、生涯現役時代の到来はそう遠い未来の話ではありませんし、そのときまでに適切な準備ができていなければ、高齢化する組織の活性化が非常に困難になってくることは間違いありません。本連載は、企業が健全な危機感を持ち、企業の高齢化に対して「適切な準備」を行うためのマニュアルとして使っていただきたい、そんなことも意識して展開してきました。社内で本格的に検討を開始される際に、ぜひ本連載を第一回から見返していただければ幸いです。31※ 新経営サービス人事戦略研究所作成資料図表3 B社の制度改定処遇区分新制度定年後再雇用(65~70歳)雇用体系雇用契約雇用年齢上限職務・職責等級役職人事評価基本給昇給諸手当賞与退職金嘱託社員(非正規)有期(60歳以降1年更新)65歳原則定年前と同様適用なし継続可(但し役職手当減)なし定年時×60%水準なしなしなしなし現行制度定年後再雇用(60~65歳)定年延長(60~65歳)正社員(正規)無期65歳旧定年前と同様旧定年前と同様(但し変更なし)旧定年前と同様(但し1年更新)旧定年前と同様旧定年時×80%水準なし旧定年前と同様旧定年時×70%水準60歳時点で確定嘱託社員(非正規)(65歳以降1年更新)65歳時点より業務量・職責を軽減65歳時点で外れる新定年時×70%水準(下限有り)新定年前と同様(一部減額あり)定額支給+評価加算有期70歳適用なしありなしなし生涯現役時代生涯現役時代のの高齢社員活躍支援ののポイントポイント高齢社員活躍支援

元のページ  ../index.html#33

このブックを見る