エルダー2023年1月号
45/68

塾じく」では、指名された社員が与えられたテーマの建築工事などを主体とする地域ゼネコンです。また、高齢者介護施設紹介センター、環境緑化事業なども手がけており、幅広く事業を運営しています。当社では、65歳定年後、希望者全員70歳まで働ける制度を整備しています。シニア社員は、会社が発展していくための大切な役割を果たしています。例えば「技師長・顧問制度」は、大手ゼネコンなどを定年退職後、まだまだ働く意欲のある高齢技術者に当社に入社してもらい、技師長や顧問として活躍してもらう制度です。この制度により、当社の技術力は格段に向上し、大型工事の受注にも結びついています。また、当社の女性社員20人のうち、10人が管理職を務めており、経験豊富な高齢の女性管理職が模範となり、女性活躍のための意識改革に取り組んでいます。2012(平成24)年に設立した高齢者介護施設紹介センター、2021(令和3)年から取り組んでいる障害者就労支援事業でも、60代の女性社員が中心となり、地域共生社会の実現に向けて努力しています。一方、若手を対象にした社内研修会「トーケゅ  ンアカデミー」では、技師長制度で入社したシニア社員を中心とする講師陣が新入社員教育を行っています。また、当社独自の研修会「胎たう動いどについて勉強し全社員の前で発表をするのですが、シニア社員の発表は、若手社員にノウハウと経験を伝えるよい機会となっています。モルツウェル株式会社それぞれの人材が持つ強みを活かして浅野 それではモルツウェル株式会社の野津さん、お願いします。野津 当社では、365日、朝昼晩、栄養管理された食事を製造し、全国の高齢者施設へお届けするほか、高齢者宅への配食サービス、買い物支援サービスなどを展開しています。高齢者雇用の取組みのきっかけとなったのは、事業が順調に成長する一方で、若手を育てる人材がいないという問題が起こったことです。課題解決をともに実践してくれる人材として、2017年に大手企業で管理職を務めた50代後半の人材を採用し、人事評価制度を含め全社的な業務改善を行いました。2022年にも60代の管理職経験者を採用して、若手人材の育成や組織構築を行っています。高齢者雇用制度としては、65歳定年後の再雇用では年齢上限を設けておらず、現在の最高年齢者は82歳です。高齢者活躍推進の取組みとしては、当社では毎年全社の方針発表会を行い、その方針を基に社員一人ひとりが目標管理シートを作成し、それに基づいて人事評価を行っており、高齢社員にもこれを適用しています。意欲・能力の維持・向上の面では、問題解決のための「改善報告制度」を設け、高齢社員からも多くの改善提案が寄せられており、「私なんて」から「私だってやれる」ことを増やす機会となっています。プしており、一人あたりの付加価値額が25%、平均賃金は4・25%向上しました。があるからできないという偏見をなくし、それぞれの強みを活かして弱みを消し、違いを活かして強くなれるように、「期待し、機会をつくって、甘えではなくて鍛える」というやり方が循環する職場づくりをしていきたいと考えています。浅野 年齢者雇用安定法で、70歳までの就業確保措置を講じることが企業の努力義務となりました。前向きに考えながらも、導入には苦労が多そうで気がかりだという企業も多いと思います。導入に至るまでどのようなご苦労があったのか、こうした取組みもあり、継続して業績はアッ高齢だから、男性だから、女性だから、障害仕組みづくりとは2021年4月1日に施行された改正高43新春特別企画❷ 「令和4年度 高年齢者活躍企業フォーラム」トークセッションエルダー70歳を超えて働くための

元のページ  ../index.html#45

このブックを見る