エルダー2023年1月号
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 3人材の多様化、変化する人間関係のなかでは対等・平等な態度をとる管理職が求められるンが自然と身についていたものですが、現在の職場は、女性や中途採用社員も多く、外国人や派遣社員がいたりと、働く人が多様化し、さまざまな価値観を持った人たちが働いています。「いわなくてもわかる」は通じないし、指示・命令は具体的に簡潔な言葉で伝えることが重要です。大野 いまの時代の管理職に求められているのは「対等性」と「平等性」です。対等性といっても、組織における上下関係を否定するわけではありません。ただし、昔ながらの威厳を持った態度で部下に何でもいってよいわけではありません。威圧的な態度で命令したり、「お前」呼ばわりすると、反発を招いたり、ハラスメントに発展しかねません。部下に対する言動などに注意し、対等に接する姿勢を持つことが非常に大切です。平等性を考える際にわかりやすいのは、年下の部下への「タメ口」です。20代の部下に「これをやっといて」といい、年上の部下には「これをお願いします」と指示を出せば、周囲の人たちは決してよい印象を持たないでしょう。同じ職場で働いている人であれば、分けへだてなく平等に接することが重要です。ハラスメントに関して「〝ちゃんづけ〟で呼ぶのは問題ですか」という質問を受けることがあります。なかには「〝ちゃんづけ〟はセクハラです」と書いている書籍もありますが、私はそうは思いません。部署やグループ全員が、お互いを〝ちゃんづけ〟で呼んでいれば、平等性が担保されているのでまったく問題はありません。一部の人を〝ちゃんづけ〟で呼び、ほかの人を〝さんづけ〟で呼んでいると、〝ちゃんづけ〟されている人はバカにされていると思うかもしれないし、逆に〝さんづけ〟の人は疎外感を感じる場合もあります。だれに対しても平等に接することが、職場の和を保つうえでも非常に重要です。大野 上司がひいきをしたり、特別扱いをすると、周りは敏感に感じ取り、職場の雰囲気も悪くなります。管理職研修などを行っていると、「平等に接すること」にピンとこない人がいます。一番わかりやすいのは言葉遣いでしょう。職場ではタメ口ではなく、だれに対してその通りです。職場のリーダーである―現場のリーダーや管理職がハラスメントの防止やコミュニケーションにおいて心がけるポイントとは何でしょうか。と部下の関係が逆転する場合の接し方にも共通しますね。―役職定年や定年後再雇用によって、上司エルダー

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