エルダー2023年1月号
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2023開会のあいさつに続き、北海道労働局職業安定部職業対策課高齢者対策担当官の鎌■田■博■子■氏が、北海道における「高年齢者雇用状況等報告」と題して、2021(令和3)年6月時点の集計結果を報告。高齢の常用労働者の推移について、2009(平成21)年と比較して2倍以上に増加していることなどを報告した。「今後、70歳までの就業確保措置を実施している企業を増やしていくことが重要になってくる。意欲がある高齢者がより長く働けるよう周知啓発していく」と述べた。続いて「企業における高齢従業員の安全衛生・健康管理について」をテーマに、千葉大学大学院医学研究院環境労働衛生学の能■川■和■浩■准教授による基調講演が行われた。世界各国と比較しても急速に高齢化が進んでいる日本の状況にふれ、日本の定年制の歴史を紐解き、近年においては定年年齢が加速度的に延びていると指摘。さらに生産年齢人口の変化などにより、高齢労働者は今後ますます増加すると示唆した。こうした状況下で高齢者の労働災害が問題になっている点に焦点をあて、まず作業環境の面から、企業で実際に「エイジアクション100」を活用して改善に至った労働災害防止の一連の取組みをレポートした。次に身体機能の面から高齢労働者の機能の特徴と、身体機能・認知機能低下による作業の注意点をあげ、職場などでできる簡単な体操を紹介。「健康と安全は一日にしてならず。若いころから取り組むことが重要。労働の場においては加齢と健康に関する課題に合わせた産業保健活動が大切」と述べ、基調講演を締めくくった。休憩をはさみ、65歳超雇用推進プランナーで社貴■弘■代表取締役が登壇し、「アクティブシニアの活会保険労務士の谷■口■拓■也■氏が登壇。「70歳までの雇用推進に向けた必要な施策について」とのテーマで講演を行った。谷口プランナーは道内の企業を訪問して実際に70歳まで雇用している企業が増加傾向にあると述べた。そこで70歳までの就業確保と、さらに高齢者を戦力化するためのポイントを七つに整理して紹介し、定年延長や継続雇用延長を進める手順を説明した。「情報収集はていねいに行うに越したことはない。収集すべき項目は、高齢者雇用に関する法律や制度、国などの支援、先進企業などの事例。施策づくりは経営陣や総務人事だけでなく、各部門を巻き込んで協力を得ながら進めてほしい」と呼びかけた。躍を推進する取り組み」と題して講演。合板・単板製造業を営む同社は、社員の高齢化を背景に、熟練職人に品質管理を依存する状況から脱却するため、高齢者の活躍を推進する取組みに着手。希望者全員を70歳まで継続雇用する制度を導入し、シニアアドバイザー職を新設して若い世代に技術の伝承を行っている。「定年後の給与は9割を維持している。長く働ける職場づくりとしてコミュニケーションが取りやすい雰囲気づくりと、一人ひとりの可能性を伸ばすことを心がけている」と述べた。ン会場を設け、合わせて130人が参加。70歳までの就業機会確保にどう取り組むか、登壇者の報告に熱心に耳を傾ける参加者の熱意が冷めやらぬなか閉会を迎えた。.1■■■■■■■■■■■■最後に木材加工業の滝澤ベニヤ株式会社の瀧■澤■本ワークショップでは、会場以外にもオンライ「生涯現役社会の実現に向けたワークショップ」を開催当機構では、「高年齢者就業支援月間」であるクショップ」を開催した(一部は11月に開催)。地域ワークショップは、生涯現役社会の実現に向け70歳までの就業機会の確保への理解を深めることを目的とし、高齢者雇用に関する学識経験者などによる基調講演、高齢者雇用に先進的な企業の事例発表などで構成される。今回は10月14日(金)に当機構北海道支部と厚生労働省北海道労働局が主催した地域ワークショップ「高年齢者雇用推進セミナー〜高齢社員の活用に向けた課題と対策について〜」の模様をレポートする。当機構から10月、各都道府県の支部が中心となって「地域ワー2023.158北海道での「地域ワークショップ」の様子ニュース ファイル2023.1 January

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