エルダー2023年2月号
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吉よ田だ理り玖くさん(22歳)は、技能五輪の存在を知っゅうおにいし大お谷た周し平へさん(28歳)も、旭川高等技術専門力仕事は体力的にたいへんな場面もあるが、周りのサポートを得てコツコツと努力を重ねている。「目標は、複雑なキャビネットを製作できるようになることです。一緒に働く先輩方のような立派な職人になりたいです」(佐藤さん)て家具づくりの世界に進んだ。長くクロスカントリーに親しみ、競技の面白さを体感していた吉田さんは、技を競い合う技能五輪に惹かれたという。2年間の訓練を経て2022年の国際大会に出場した。「吹谷先生から『基礎ができれば応用ができる』と教わりました。教えるときは、相手が理解できているところから教えなくてはいけないとも習いました。危険な作業をするときは厳しいけれど、よい出会いに恵まれたと思っています。技能五輪は国際大会に出場することができ、挑戦したからこそ得られた経験がたくさんあります。この経験を後輩に伝えていきたいです」(吉田さん) 学院に通い、吹谷さんの指導を受けた経験を持つ。「技能五輪に出場できる」と聞いて学院に入学し、在学中の2013年に全国大会に出場し銀メダルを、翌年にプレステージジャパンの社員として出場し金メダルを獲得。そして、21歳で国際大会に出場している。「吹谷先生は『やることにはすべて理由がある』と教えてくれました。基礎はもちろん、基礎をふまえた応用についての指導が理解しやすかったです。私が技能五輪に出場した際は、直前に課題が変更となり、基礎とともに応用力が求められたことがありました。こういう経験ができるのは技能五輪に出場した選手だけですから、よい経験になりました。いまはがむしゃらにがんばりたいと思っていますが、先生がいつもいうように、ケガだけはしないよう気をつけています」(大谷さん)愛弟子たちは三者三様に恩師への思いを語った。実は吹谷さんは、体調の問題などもあり2022年末をもって同社を退職した。「会社からは指導だけでよいと引き留めてもらいましたが、現場であれこれ起これば身体が勝手に動いてしまう性分なので、スッパリ辞めることにしました。ただ、この会社が大好きですし、これからも何らかの形で事業に協力していきたいと考えています。旭川で一番よい会社です」と会社への想いを語った。て「今後は個別に仕事を続けてもらいたいと考えています。図面を書いたり、東京のショールームで顧客への説明をしてもらったり、海外のショールームでカンナ作業の実演をしたりと、お願いしたいことはいろいろあります」と話す。識と経験。若手の職人たちは技能五輪経験者を中心に、師匠から学んだ技能を後輩に伝承するサイクルを築き始めている。吉田専務は、今後の吹谷さんとの関係につい木工加工の技能を身につけるための膨大な知働き方を変えてこれからも会社と協力関係を12吉田理玖さん大谷周平さん

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