エルダー2023年2月号
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本日は、高齢社員の活躍支援策として、弊社で2021(令和3)年から取り組んでいる「地域のパートナー制度」についてご紹介します。弊社は、1991(平成3)年設立の自動車およびその部品を製造する会社で、福岡県内に三つの工場を展開しています。親会社は、愛知県にあるトヨタ自動車株式会社です。トヨタ自動車の九州工場ではなく、トヨタ自動車九州という別会社になっているのは、九州のみなさまと協力し、地域密着の経営でグループに貢献してほしいという、設立当時の親会社のトップの思いがありました。九州で人を採用するのですが、設立当初は自動車製造の経験者がいなかったため、移籍を希望する九州出身のトヨタ自動車社員と、九州で採用した社員とでスタートしました。そうした経緯もあり、お世話になっている地域に貢献することが、弊社の使命であり、社員みんなが意識していることです。設立から31年が経ち、これまで会社を牽引してきたトヨタ自動車から移籍して来た社員たちが、後輩をしっかり育て、徐々にトヨタ自動車九州に入社した社員がリーダーのポストにつけるようになってきました。そこで、いままでリーダーの地位でがんばってきた社員に、ポストを後輩に譲ってもらい、譲った社員たちに新たに能力を発揮してもらう場として、「地域のいろいろな会社の困りごと解決に貢献する」という目的で創設した制度が、「地域のパートナー制度」です。地域のパートナー制度の具体的内容は、一般的にいうと、社員の社外兼業制度です。特徴は、社外支援先と同じ目線で考え、寄り添いながら、ともに困りごとの解決や定着を目ざしていく、「伴走型支援」の社外兼業制度ということになります。課題解決に向けて一緒に取り組みながら、ゴールはその会社の社員の方が自分たちだけで解決できるようになっていただくことを目ざしています。度があります。しかし、人生100年時代と考えると、65歳からの時間も長いわけです。そうした考えや、「地域密着の経営をより進めていきたい」という思い、「そして弊社で働いてきた社員が会社を辞めた後のキャリアも考えてほしい」といった声があったことも、この制度創設のきっかけになりました。たいと思ったところで、どのようなニーズがあ弊社は、60歳定年で、65歳まで再雇用する制ただ、地域の会社の困りごと解決の役に立ち シニア社員の能力を活かして地域の会社の困りごとを解決講演③地域のパートナー制度人生100年時代における自律的なキャリア形成の支援 ぎま 杉す山や敦あつしトヨタ自動車九州株式会社取締役コーポレート本部長2023.226

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