エルダー2023年2月号
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MI増加量をモニタリングしていくことが必要ではないか、というお話をしました。そうした取組みを続けることが、各年代の健康意識、あるいは働く意欲といったところにつながっていくのではないかと思います。杉山 私からは、トヨタ自動車九州の「地域のパートナー制度」について、ご紹介させていただきました。「現役時代に働いた会社でずっと働くのか」ということを考えた場合、会社視点では「変化の激しい時代に同じ人を雇い続けることができるのか」という思いもありますし、労働者視点で考えても、「ずっと働いてきた会社でその先も長く働き続けることは、果たして幸せなのだろうか」ということがあります。役職定年などでポストを降りると、その後は、後輩の部下になることになります。「それって幸せなのかな」と思うのです。そう考えると、一つの会社というより、複数の会社、あるいは会社ではなくても仕事ができる働き方ができたらよいのではないか、そのように考えました。出向や転籍という形がありますが、いずれにしても、会社を変わることになります。環境の変化が大きいですし、新しい職場で働く不安は必ずあります。そこで、そうしたことを小さくすることができないかと考え、「地域のパートナー制度」をつくりました。亀田 りましたが、生涯現役の壁やハードルを考えたとき、「一つの事業体のなかの各立場で、いろいろと妨げるものがあるのではないか」ということをお話ししました。また、会社を取り巻く日本全体の環境や習慣など、例えば、年功序列といったことも妨げになっていることもあります。そして、中小零細企業では、安全衛生推進者を選んでいたとしても、ほかの仕事をしながらどこまでできるのかという問題もあります。ですが、壁やハードルのことばかり考えても道は拓■けませんので、壁を取っ払うために大事なこととして、経営者の方に問題意識を持っていただくこと、部門横断的な会議から始める、といったことをお話ししました。が激変していくと、既存のやり方だけではうま私は、ネガティブなタイトルの講演とな杉山さんのお話にもあったように、事業環境コーディネーターパネリスト一般財団法人日本予防医学協会 理事赤津 順一氏福岡教育大学 准教授樋口 善之氏トヨタ自動車九州株式会社 取締役コーポレート本部長杉山 敦氏株式会社健康企業 代表取締役社長亀田 高志氏31産業医科大学名誉教授の神代雅晴氏■産業医科大学 名誉教授神代 雅晴氏エルダー特集2生涯現役社会の実現に向けたシンポジウム〈福岡会場〉

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