エルダー2023年2月号
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員に対して、健康管理の取組みを働きかける効果的な方法として、どんなことが考えられるでしょうか。樋口 戦略の一つとしては、体重管理に関心を持ってもらうことが大事ではないかと考えています。本日私がお話ししたBMIのようなエビデンスを示して、リスクを予測する。仕事のキャリアとともに、自分の健康を見すえて関心を持ってもらえる取組みを行っていくことがポイントになると思います。また、「プレメタボ」対策といったことに興味を持ってもらえる企業がありましたら、共同研究なども可能だと思います。神代 続いて亀田さんにお聞きします。「生涯現役への壁〜エイジマネジメントを阻むもの」として、経営層や人事など、各組織の問題、会社の収益性の問題や労働者の考え方、日本の年功序列など、さまざまな「壁」を少しでも解消するには、企業はどのように取り組んでいけばよいでしょうか。亀田 高齢になっていくなかで、モチベーションを保ち続けてもらうことが大事だと思います。それには、経営者のみならず、労働者側の意識づけも大切です。研修を通じて、仕事の内容や雇用関係が変わっていくこと、すでに受けている健康管理が変わっていくことについて早めに伝え、十分に考えていただくことが大切ではないかと思います。神代 エイジマネジメントに取り組むにあたっては、どのような制度や資源を利用したらよいでしょうか。亀田 独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構のホームページでたくさんの好事例が紹介されています。また、『エルダー』にも毎月好事例が紹介されているので、定期的にご覧になることをおすすめします。また、中央労働災害防止協会「エイジアクション100(概要版)」は、登録の必要なく活用できる職場改善ツールですので、同協会のホームページ※をご覧いただければと思います。神代 全体の感想などがございましたらお願いいたします。杉山 てまだやるべきことがたくさんあると感じました。健康管理については、専門部署があり、社員にさまざまな働きかけをしていますが、社員自らが意識して取り組めるようにしていかなくてはいけないと思いますし、長く生きていくうえでは、健康管理は非常に重要なことですので、今後も力を入れていきたいと思います。神代なさんのお話は、とても内容が濃いものでした。シンポジウム全体の結論としていえることは、社員は働くことと長くつき合うための健康づくりに積極的に励むことが要求される時代が来た、ということです。そして、組織はそれをバックアップしなければいけない、そういう時代が来ていることがわかりました。健康づくりと安全な職場づくりが、これからの日本においては非常に大事であるということが提起されたと思います。杉山さんから、パネルディスカッションみなさんのお話をうかがって、企業としありがとうございます。パネリストのみエイジマネジメントの「壁」を少しでも解消するには健康づくりと安全な職場づくりがますます大事な時代が来ている35※ 中央労働災害防止協会「エイジアクション100」……https://www.jisha.or.jp/age-friendly/ageaction100.html株式会社健康企業 代表取締役社長の亀田高志氏エルダー特集2生涯現役社会の実現に向けたシンポジウム〈福岡会場〉

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