エルダー2023年2月号
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(聞き手・文/溝上憲文撮影/中岡泰博)多様な人材が働く組織文化の醸成に向け看護管理者の手腕にも期待したいがあれば、本人の健康に影響が出てくる可能性も高まります。安心して柔軟に働ける仕組みづくりなど、安全と健康に配慮した職場環境を整備する必要があります。また、個別性に配慮して業務内容や役割を明確にすることも重要です。処遇については、業務内容や役割に応じた評価と賃金の仕組みが必要だと思います。年齢を理由に画一的に賃金を引き下げるケースはいまでもありますが、それぞれがになっている業務内容や役割、責任の程度に応じた評価と賃金決定の仕組みが必要だと考えています。このような仕組みはプラチナナースだけに  かぎりません。多様な働き方を選択した若手や中堅の看護職にも適用できると思います。実際に仕事の内容や責任と賃金が見合っていないのではないか、という理由で退職する人もいます。それぞれの病院や施設の規程があるとは思いますが、ぜひ賃金制度がどうなっているかを点検し、改善に向けた積極的な取組みをしていただくことを期待しています。それは同一労働同一賃金の趣旨にも叶っていると考えています。森内 型医療」を展開するとともに、生活習慣病予防や重症化予防なども含めた健康支援を、積極的に推進していくことが求められています。経験豊かなプラチナナースの活躍に大きな期待が寄せられています。また、若手看護師の育成や相談・支援など、現役世代を支える役割も期待されています。プラチナナースは働く時間が短くなり、出勤日数も少なくなるかもしれませんが、そうしたなかでも活躍してもらうための職場環境の整備や、多様な人材が働く組織文化の醸成も非常に重要です。そういった意味でも、看護管理者の手腕の発揮に期待しています。森内 だ続きます。それぞれがどう生きていくのか最初にも申しました通り、「地域完結定年退職などを迎えても人生はまだまだけではなく、看護職としての資格を活かして社会にどう向き合っていくのかを考える年代になります。看護職であれば、長いキャリアのなかでだれもが「こういうサービスがあれば患者さんや利用者、ご家族が助かるのにな」と、考えたことがあると思います。プラチナナースになって、「これまでやりたくてもできなかったことがいまならやれる」と考えて、それに挑戦する人が増えることを期待しています。看護師として輝くために、健康で安全に、そして安心して働き続けられるように取り組んでまいります。プラチナナースの方だけでなく、これからプラチナナースを目ざすすべての看護職のみなさま、管理者のみなさまなどに、『プラチナナース活躍促進サポートBOOK』をぜひご活用いただきたいと思います。これからもプラチナナースが、生涯現役の―看護職のなかには訪問看護をはじめ、地域のさまざまな現場で活躍されている人もいます。改めてプラチナナースに期待したいことは何ですか。―プラチナナースだからこそ、できることとは何でしょうか。公益社団法人日本看護協会 常任理事森内みね子さん2023.24

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