エルダー2023年2月号
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技能の重要性や必要性を広く一般にアピールし、技能を尊重する機運の醸成を目的に開催されている技能五輪全国大会(主催:厚生労働省、中央職業能力開発協会)。対象は国内の青年技能者(原則23歳以下)で、目ざすべき目標を与え、技能を向上させるよい機会となっているが、そこで結果を出すためには、競技者本人の努力はもちろん、技能伝承への熱意を持って指導する熟練指導者の存在も重要なカギとなる。スチール家具や事務機、生産機械などの製造販売で有名な株式会社オカムラ。そこにある技術技能訓練センター(以下、「訓練センター」)で指導を続けている畑は岡お耕こ一いさんも、そんな“熱い”キーマンの一人だ。畑岡さんは、1966(昭和41)年に入社後、製造に関する基本技能を習得し、試作や設計、企画、開発など幅広い業務にたずさわり、製造技術や技術技能訓練に関する多くの資格を取得。2013(平成25)年からは、その技能と経験を活かして技能五輪全国大会出場を目ざす選手の育成を行い、翌年の同大会では曲げ板金職種※1で入賞に導いている。そこで、畑岡さんの技能伝承にかける思いや、指導・育成のポイントなどについて、同社の生産本部企画部で人材育成を担当している清き久く彰あさん、訓練センター所長の小こ林ば幹も尚なさん、技能五輪指導員の雪ゆ田た大ださん、そして現在指導を受けている技能五輪選手の宇う田だ川が飛つさ翔さんと齋さ藤ととして創業して以来、ものづくりへのこだわりとたしかな技術力で、オフィスから商業施設、病院、学校、そして物流施設まで、幅広い分野へと事業を展開している。戦後に職を失った技術者たちが資金、技術、労働力を提供し合って設立したという淵え源げを持つ同社では、技術・技能の向上とその伝承に特に注力。1962年に技能訓練所を設立後、岡村工業技術学校、オカ株式会社オカムラは1945年に岡村製作所たかうちんんいいわばういきとおよ7ゅう竜り世せさんとともにお話をうかがった。きらやし技能と業務経験を活かし若手を育てる技能伝承のキーマン技術・技能の指導だけでなくひとづくりも重要な役割(写真後列左から)清久さん、畑岡さん、雪田さん、 小林さん(前列左から)宇田川さん、齋藤さん※1 曲げ板金職種…… 鋼板と鋼材などから、工場で使う板金製品を模した作品を、手作業を中心に成型し、溶接して組み立てる競技特集1技能五輪・技能グランプリを支える高齢者の底力エルダー事例1選選手手をを鍛鍛ええ︑︑入入賞賞にに導導くくたたししかかなな技技術術力力とと熱熱いい思思いいでで株株式式会会社社オオカカムムララ︵︵神神奈奈川川県県横横浜浜市市︶︶

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