エルダー2023年3月号
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これまでは、一つの会社に勤め続けるという社員がほとんどで、「会社のなかに自分の人生がある」と考える社員が多かったと思います。しかし、社会環境や個人の価値観が変化するなか、これからは「自分のなかに会社がある」といった形のほうが活き活きと働くことができるのではないか、そうなることで、おのずとイノベーションが起き、会社も強くなっていくのではないかという考えのもと、意識改革を図っているところです。まずは、自分たちの働く意義ともいえる「マイパーパス」を言語化することを進めています。そして、会社のパーパスと重ねていくことで、社員の幸せや働きがいの実現を目ざします。現在、パーパス経営への理解浸透、マイパーパスの言語化、メンバーのマイパーパスを言語化するための対話の習得に取り組んでいます。これにより、相互理解が深まってきて、日常のコミュニケーションが変化したことを感じています。マイパーパスを言語化して自分でキャリアを描き、自律的にキャリアを実現する人事制度を用意しています。一つめは「ドリームチケット」制度です。顕著な活躍をしている社員に対し、本人の希望通りの異動を実現するという制度で、2002(平成14)年から運用しており、毎年10人ほどがこの制度で夢を叶えています。二つめは、「ジョブチャレンジ制度」という社内公募制度です。2021(令和3)年実績では、グループ会社も含めて約700の公募ポストを用意し、約80人がこの制度を利用して希望するキャリアを実現しています。また、2021年からは「リモートチャレンジコース」を新設しました。こちらは、介護や子育てなどで転居をともなう異動がむずかしく、自身の希望するポストにチャレンジできない社員のために、フルリモートで業務を行うことを前提とした社内公募制度です。三つめは、社内副業制度「SOMPOクエスト」です。所属部署の業務を行いながら、他部署の業務にたずさわることができる制度で、すでに400人超がチャレンジしています。自分の経験やスキルを棚卸しして強みを再認識してもらうとともに、ジョブを体感することで〝なりたい自分〟を明確にする、あるいは、全国の社員の強みを融合し、新たな価値を創造することなどを目的として立ち上げた制度です。続いて、シニア世代のセカンドキャリア支援プログラムについて説明します。進路や働き方をイメージするための研修・自己研鑽のほか、社内・社外での活躍の場を提供する各種制度を通じて、セカンドキャリアの支援を行っています。さらに、新しい時代に対応する学びの場として、「シニアリスキリングプログラム」を2022年秋から新たにスタートしました。従来のマインドセットに加えて、継続的にリスキル、アップスキルに取り組める環境を提供していきます。今後も、さらなる活躍の場の提供と新たな働き方を後押しする制度の整備について検討を進めていきます。して、人材育成体系の抜本的な見直しを行い、2020年10月に損保ジャパン大学(オンライン企業内大学)を設立し、2022年10月には自律的キャリアをさらに後押しする場として進化させました。学びの履歴をレコード化することにもチャレンジしています。学びのレコード化を異動・登用に活用することで、自律的にキャリアを描いて自ら学び行動する。そんな社員にチャンスが多く訪れる仕組みをつくっていくことで、私たちの目ざす変革の方向性を実現し、パーパスドリブンな自律的キャリア形成を後押ししていきたいと考えています。また、キャリアを実現するための学びの場と自律的キャリアを実現する人事制度新しい時代に対応する学びの場としてシニアリスキリングプログラムを開始2023.314

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