エルダー2023年3月号
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Creatiもう一つの柱は「学び直しの支援」で、「Re-た。50歳以上の正社員を対象に、10万円を上限として、今後のキャリアづくりに向けて、保有スキルの向上や新しいスキルを獲得する学びを支援するものです。学ぶ内容は、社員自らが考える制度となっています。この制度は「ベテラン社員に学びを続けてほしい」という会社からのメッセージである一方で、「学ぶ内容は自分で考えてください」という方針を取っています。これまでの申請例として、中国語会話やそば打ち、アロマ検定など、〝新しい分野へのチャレンジ〟もあれば、保有スキルのメンテナンスのような位置づけのものもあります。また、これらの制度を下支えする取組みとして、30代から50代までの世代別研修のほか、管理職向け研修があります。に必ず一人ひとりにキャリアメンターをつけて、研修のサポートを行っているのが特徴です。キャリアメンターは、主にマネジメント経験者で国家資格キャリアコンサルタントを取得した者が担当し、自律的なキャリア支援を行います。上司、人事とは別軸で、いわゆる人生の先輩として相談できる関係を目ざしています。キャリアメンターは本業と人事部を兼務し、業務の10のための二本柱を掲げて、社員のマインドを下支えする取組みを展開しています。二本柱の一つが「新しい分野への挑戦の支援」で、いわゆる社内公募制度です。ソニーでは、もともと社内公募が盛んで、上司に許可を得ることなく応募し、合格した場合には必ず異動させる、という制度が定着しており、1966(昭和41)年から累計7500人以上が利用しています。この制度を少し前にリニューアルして、「キャリアプラス」、「キャリアリンク」、「社内FA制度」の三つの制度を導入しました。特に、ベテラン社員に活用してもらいたいと考えて導入したのが「キャリアプラス」と「キャリアリンク」です。「キャリアプラス」は、いわゆる兼業の社内公募制度で、合格した場合には、現業を行いながら、応募した業務も兼業してもらいます。具体的な事例を紹介すると、「アニメが好きな人を兼業で公募して、商品にアニメのエッセンスを入れて、よりビジネスの向上を図る」という求人があり、かなりの応募がありました。また、主に若手が行っている新規事業にベテランの知見を求めるといったものもあります。品質や生産性向上などの知見をかけ合わせてサポートをするような求人です。動員をかけるのではなく、社内の「やりたい人」にかかわってもらうという考え方です。on ファンド」という制度を新設しまし〜20%程度をメンター業務に充ててもらいます。現在、約30人のメンターが活躍中です。ンシップ(社外体験プログラム)を新たにスタートしました。中小企業支援体験プログラムや、自治体とソニーでコラボレーションして地方創生体験をするプログラム、1日だけやってみたい仕事にチャレンジするワンデイ仕事体験などがあり、あらかじめプログラムを宣言して、社内公募でやってみたいという社員にチャレンジしてもらう仕組みです。なかにはとある町おこしプロジェクトにたずさわり、ソニー社員の提案がふるさと納税の返礼品として採用された例もあります。そうした経験を通して、それまでにつちかった力がどのようなところで発揮できるのか、社内だけではなく社外も含めて考え、新たなチャレンジを支援するという取組みです。が、自らの意思で社内外のさまざまな道を主体的に選んでいく風土・文化に変えていくことを目的としたものです。その結果として、〝組織の強化・活性化〟と〝社員のライフキャリアの充実〟の両立につなげていきたいと考えています。2021(令和3)年からは、シニアインター本日ご紹介した制度は、ベテラン・シニア社員シニアインターンシップ制度で社外を含む多様なチャレンジを支える2023.31650歳以上のキャリア研修は2回あり、研修後

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