エルダー2023年3月号
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とが、事業や職場のビジネスにもプラスになる、役に立っているんだという理解を、社員にきちんと持ってもらうことが必要ではないかと思います。当社の場合、公募制度には50年ほど前から取り組んでいます。社員のためというよりも、職場のマネージメントも必要だと思ってやっているところがあります。どちらかに偏っていると定着しなかったり、広がらなかったりすると思いますので、そこをどうしかけていくか、そのあたりが大事なのではないかなと考えています。今野 自律的なキャリア形成を進めていくと、それにあわせて評価・賃金を見直す必要性が出てくると思うのですが、いかがでしょうか。大塚さんからお願いします。大塚 役割に応じて変動するようなメリハリのある形に持っていくことと、それをできるだけオープンにして、納得性も高めていくことが大事だと思います。評価のメリハリ、それにともなう処遇の髙田 変化のメリハリは必要だと思います。また、ジョブを明確にして、そのジョブに見合う専門性などを有した人材がそこに入っていく、ジョブアサインメントのあり方を変えていくことが必要ではないかと思っていますが、課題もまだまだあると思っています。小島 評価の透明性ということが、やはり大事なことだと思います。今野 シニア社員に絞ったときの自律的キャリア形成についてうかがいます。こうすればうまくいく、こんな課題を抱えていますということをお聞かせください。髙田 ムという取組みで、マインドセットからリスキル、継続的な学びを展開しています。もっとも大事なのはマインドセットの部分だと思っています。自分がどういうキャリアをこれから描いていきたいのか、そのキャリア観や、これからも長く働くということを改めて理解し直すこと、そのために何ができるかという部分です。そこをしっかりと見つめ直すことが大切ではないでしょうか。キャリア開発50研修というプログラムを展開していたのですが、それをきっかけに「何かやってみよう」と考えたときに、自分の足りないスキルを補えるような仕組みがありませんでした。そこで生まれたのがシニアリスキリングプログラムになります。始めたばかりの取組みなので、走りながら見直しを進めていく必要があると思っています。小島 迎えたら急に役職をはずれて一般職の仕事になるという状況です。そのためのマインドセットと、どのようなスキルで会社や部門に貢献していくことができるのか、その2点が大きなポイントになっていると思います。当社では、シニアリスキリングプログラもともと、ワークライフデザイン研修や、当社では、役職定年制度がなく、60歳を自律的なキャリア形成と人事評価、処遇の変化についてシニアの自律的キャリア形成とマインドセットの取組みの工夫2023.320 キヤノン株式会社人事本部人事統括センターグローバル要員管理部長の小島武彦氏

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