エルダー2023年3月号
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定年退職を事実上廃止にする人事制度を新設「無期限の継続雇用制度」当社は2021年4月より、「無期限の継続雇用制度」を導入しました。この制度は、導入までに2年間ほど議論を行ったのですが、制度導入の反響が思いのほか大きく、メディアにも取り上げていただき少々驚いています。本日はこの無期限の継続雇用制度についてお話しします。当社は、1928(昭和3)年に創業した卸売業の会社で、石川県金沢市と東京都千代田区の2カ所に本社があり、化学品、情報システム、樹脂・エレクトロニクス、空調設備工事、住宅設備機器、エネルギーの6セグメントで事業を展開しています。また、ベトナムに7つの子会社を展開しています。新たに制定した無期限の継続雇用制度は、国内グループ会社の60歳以上の全社員が対象です。定年となる60歳を人生の節目として、今後の働き方を見つめ直し、自身にとって最適なワーク・ライフ・バランスをデザインすることができる制度となっています。まず、新制度導入にあたり、「三谷産業グループが目指す60歳以降の働き方」と題して、社員全員に次のメッセージを発信しました。「人生の節目となる定年は、自分の仕事ぶりや今後の働き方を見つめ直すタイミングと捉え、その機会を60歳においています。家族の状況や住んでいる場所をはじめ、一人ひとりのライフステージが違う中で、どのように働くことが最善のバランスと感じるのか、自ら問いかける必要があるからです。ちかってこられた成功体験やノウハウ等を、後進に道を譲る機会として、原則60歳の『役職定年制』も導入いたします。に、仕事ぶりを評価する目標・考課を継続することで、その実力を正しく測り、成果に見合った賞与も支給していきます。ますが、決して受け身とならず、能動的に定年までのキャリアデザインを描くこと、そして定また、役職者におかれましては、これまでつみなさんには、体力や知力の自己点検と同時会社は、60歳以降も働く場所を提供していき「70歳就業時代におけるシニア活用戦略」 佐さ藤と正ま裕ひ三み谷た産業株式会社執行役員人事本部長に うさろ●●令和4年度 生涯現役社会の実現に向けたシンポジウム企業事例発表①《特徴的な取組み》2021(令和3)年4月1日から、60歳以上の全社員を対象として、「無期限の継続雇用制度」を新たに制定●定年後65歳までを「マスター正社員」、66歳からは「マスター嘱託社員」として、人事考課を継続。「マスター正社員」は昇給・賞与を、「マスター嘱託社員」には賞与を支給する更新し、評価基準を満たした社員が更新の対象となる            〜改正高年齢者雇用安定法の施行にも対応〜特集生涯現役社会の実現に向けたシンポジウム〈東京会場〉23エルダー66歳となる年度以降は、1年ごとに契約を11月25日

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