エルダー2023年3月号
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待をしているんだというメッセージを送り続けて、社員一人ひとりの自発性を引き出すことに熱心に取り組んでいます。例えば、当社で働いて成長したいのも成長したくないのも自由だし、どのように成長するのかも自由です。だから自発的に考えて、それを実行してください、というメッセージです。こうしたことを、社員に働く環境として提供し、社員がそれを自発的に決めてくれることに期待をしています。内田 ありがとうございます。大学教員として、学生のみなさんに聞かせたい言葉ですね。倉重 個人のキャリア自律を高めるための人事施策について、会社で意識されていることがあればお聞かせください。佐藤 キャリアを考える勉強会を始めたところです。OB・OGの苦労話やグループ会社の社長から会長になった方の話などを聞くのですが、意外にも若い社員から「ためになりました」という感想が多くあがっています。一方で、話すほうも自らをふり返り、「考える時間をもらって助かった」という声もありますので、よい刺激になっていると思います。住谷 コミュニケーションの自由が大切だと思います。会社も、社員同士も、上司も部下も、自由にコミュニケーションができるカルチャーでありたいですね。人事の考え方や人材活用の考え方についても、社内に随時情報発信をしています。文字はなかなか読んでもらえないので、動画を多用した社内SNSを活用して、会社からのメッセージをそこから集中して発信します。また、取材を受けたり、外部の方々に私たち人事の考え方などを発信したりしていくと、社員は当社が人事についてどんな考え方をしているかということを、社外のメディアからも受け取ります。これはかなり効果があると感じています。社員に対するインナーブランディングとして、そうしたことも意識しています。倉重 て、YouTubeで発信するという企業もありますね。住谷 ん見てくれたのは、私が外部のYouTubeに出たときだったと思います。内田 くのか、それも大事なことですね。続いて、環境変化の激しい現代において、高齢社員にも変化が必要でしょうか。必要とすれば、何を変えてもらうべきでしょうか。佐藤れほど変わらないのですが、5年後、10年後にはどうでしょうか。AIの影響などを早めに察知して、備えをしていけるよう、そういう変化への気づきの研修が必要だろうと考えています。住谷 後半ぐらいになると、いままでできていたパフォーマンスができなくなる、低下する方は少なからずいますが、努力してパフォーマンスを維持している方も多く、それもすごいことです。これからの日本の労働社会における人材に社外メディアは効くんですよね。あえそうですね。この4年間で社員がいちば会社の思いを伝えるツールをどうしてい変化できる人はすごいと思います。50代キャリア自律を高めるための人事施策やメッセージの発信について2023.33060歳前と60歳以降の働き方は、いまはそ三谷産業株式会社執行役員人事本部長の佐藤正裕氏

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