エルダー2023年3月号
41/68

術者の名前があがります。『松山さんはお元気ですか?』と聞かれることもしばしば。顧客の要望をしっかりくみ取り、満足のいく船をつくっていることが実績につながっていると思います」と、綿谷社長は話します。松山さんは所有する農地の管理や親の介護、地域活動と自治会長としての役割もあって多忙ですが「仕事はこれからも続けていきたいです」と意欲を示しました。勤続43年目の江■本■豊■美■さん(72歳)は、ニシエフが子会社の時代から総務部で経理を担当し、会社の変遷を間近に見てきたベテラン社員です。現在も決算、税理の業務にたずさわり、毎月行われる経営会議に合わせて月次決算をまとめたり、経理部の若手を育成したり、社員の相談に乗ったりと業務は多岐にわたります。「このところは売上げが上がり、その分仕事も増えています(笑)。経理部には未経験の若手が3人いて、それぞれ入社3カ月、2年目、4年目です。経験がない方に仕事を覚えてもらうのは年数がかかりますが、どんどん成長してもらえるように教え込んでいます」江本さんは地域の漁協婦人部でボランティアとして活躍するほか、多趣味なことでも知られ、卓球の試合、日本舞踊の稽古と忙しい毎日を送っています。これからは旅行もしたいと考えているそうです。「会社の休みは取りやすいです。業務の進行は気になりますが、段取りだけして若い社員に任せるようにもしています」(江本さん)ピードが早く、休みを上手に取りながら期日中に必ず仕事を仕上げてくれるので信頼しています。実は江本さんは、私が入社したときの直属の上司なのです。そのころからまるで変わらず、エネルギーと好奇心は会社一で、頼られると断れない姉御肌。若い社員たちにとっても、とても頼りになる存在です」自宅からは社屋が見えるといい、休みの日でも会社が気になるのだそう。「会社の業績は年ごとに波があるものですが、いかに平坦に継続できるかがカギになると思います。これからも会社が長く存続してほしいと願っています」と江本さんは語ってくれました。同社は2016年に新工場を竣工しました。空調設備や排気設備を完備し、クレーンを新しく増設して作業環境を大幅に改善。屋根を高く設定して、以前は野外で行っていた作業を屋内で行えるようにもなりました。年齢を問わず社員みんなが働きやすくなり、工期も短くなったそうです。さらに技術設計を行う第5工場(デザインラボ)を新設し、工場見学を目的とした部屋を設け、寮も新しく完備。人材確保に向け、これからも働きやすい職場づくりに取り組んでいく方針です。髙橋プランナーは「経営陣は今後、大きな環境変化や業況の変化などが生じた場合、これらに対応していくための社内体制、特に中間管理者層の意識改革や対応力強化、職場管理者育成が必要と考えています。とりわけ今後も増加すると予想される、高齢社員に対する管理スキルの向上についてもサポートしていきたいと思います」と話しました。(取材・西村玲)■■■■■■石■井■省■三■専務取締役は、「江本さんは判断のス高齢社員の管理スキル向上に向けて助言39エルダー経理部のスタッフに業務を説明する江本豊美さん

元のページ  ../index.html#41

このブックを見る