エルダー2023年3月号
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転職成功のカギは、自らの市場価値を測定し採用側の視点で利益をアピールすることくありません。例えば年収が1500万円の元部長が、転職活動初期に1000万円のオファーを断ってしまい、その後100社受けても落ち続けると、「500万円でも雇ってくれるところがあれば」と希望条件を下げざるを得なくなります。そして、ブランクの期間が長期化するほどさらに転職がむずかしくなるという悪循環に陥ります。1年以上かけて最後は不本意なところで決まることもありますし、最終的にはアルバイトなどの時給で働く人もいます。黒田 話になりがちですが、文字通り、職を変えることを意味し、その本質は自分の市場価値を自分で測定し、いかに売るかということです。採用側も「この人に1000万円投資したら、いくら稼いでくれるか」という視点で見ています。個人の能力で稼ぐ成果もあれば、人をマネジメントすることで生み出す成果もあります。採用側の目線ではなく、「前職でこれぐらいもらっていたから、これぐらいはほしい」という売り込み方では当然売れません。大企業で高い年収の元部長であっても「このくらいの報酬を出してくれるなら、あなたの会社を手伝ってあげますよ」という態度では見向きもされません。雇われることに慣れてしまっているために、既得権のように錯覚しているのでしょう。活動初期にはこうした失敗が少なくありません。転職は「雇われる先を変える」という3 しても通用しません。例えば、「御社の課題はこうです」、「前職の経験からこうすれば解決します」、「その結果、これだけの利益をもたらすことができます」というように採用側の視点に立ってプレゼンテーションすることが大切です。あるいは「いまは仮説ですが、こうやれば御社の事業はもっと伸びると思いますし、それを私に手伝わせていただけませんか。成果を出したら、それを評価してもらえればよいです」といえる人は強いです。黒田 動をしなくても自分の職務経歴にどんな求人のオファーがくるかを見ておくだけでも、自分のおおよその市場価値を把握できます。「いまのスキルでは年齢が上がると求人が減ってくる」という傾向もわかりますし、転職するかもしれない業態の状況もインプットしておまた、いくら前職での経験だけをアピール在籍中に転職サイトに登録し、転職活―ミドル・シニアが転職に失敗する際の要因とは何でしょう。ですね。―事前の準備がきわめて大事だということエルダー

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