エルダー2023年3月号
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「電話番をしながらのお昼休みって休憩といえコロナ禍が続くなか、テレワークや時差出勤、オンラインを活用した会議の導入など、いわゆる「新しい働き方」の取組みが進められ、それらが定着しつつある会社が増えているようだ。また、2019(平成31)年4月の労働基準法の改正により、残業時間の上限規制や年次有給休暇の取得義務化などに対応し、働き方のルールを変更した会社も多いだろう。本書は、こうした最近の働き方も含めて、働く人たちが労働の現場で感じている疑問、例えば、「テレワーク中のケガって労災になる?」、るの?」といった身近な話題を取り上げながら、知っておきたい労働法の基本をわかりやすく解説。楽しく学べるように、主人公ツバサが、長らく後回しにされてきた労働環境の整備を任され、戸惑いながらも労働法を学んでいくストーリー仕立てとなっている。ツバサたちの会話から、自然と労働法の知識が頭に入り、労働法の基本が身についていく。知らないと損をする賃金や育児・介護休業についてや、副業などに関するルールも学べる。総務・人事の新任者や労働環境に疑問のある人など、幅広い人たちの参考になる一冊といえる。最近よく聞く「リスキリング」とは、単に「学び直し」を意味する言葉ではなく、「新しいことを学び、新しいスキルを身につけ実践し、新しい業務や職業に就くこと」と本書の著者は説明する。そのうえで、これからの時代は、自分自身を「リスキリング」するスキルそのものがきわめて重要になるとし、年齢にかかわらず、外部環境の変化に合わせて、「リスキリング」を習慣づける必要があると指摘する。著者は、自らの経験をふまえて、リスキリングを日本で広める活動に取り組み、2021(令和3)年、日本初のリスキリングに特化した非営利団体「一般社団法人ジャパン・リスキリング・イニシアチブ」を立ち上げ、リスキリングにかかわる多角的な支援活動を行っている。本書は、リスキリングの意味や必要性から、海外企業における状況、リスキリングを実践する10のプロセス、リスキリングによるキャリアアップと人材の流動化などについてくわしく解説。実際にリスキリングを行う方法では、ベテラン社員が築いてきた熟練スキルとデジタルスキルを融合させる手法のヒントや、中小企業でリスキリングを導入するための方法なども紹介している。知らないと損する労働法の超基本自分のスキルをアップデートし続けるリスキリング石■■井■孝■■治■ 著/日本実業出版社/後■藤■■宗■■明■■ 著/日本能率協会※このコーナーで紹介する書籍の価格は、「税込価格」(消費税を含んだ価格)を表示しますマネジメントセンター/1540円2035円2023.356リスキリングへの理解をうながし、具体的な実践方法も紹介ストーリー形式で、自らを守る知識が自然と身につく

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