エルダー2023年3月号
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iil「いかに」学ぶかの3要素からなる「学びの主Most toMe)」。カナダおよび米国老年医学ility)」、「こキャリアをつくる独学力ヒューマンエラーの心理学最高の老後プロフェッショナル人材として生き抜くための「『AIによる代替はいつ来るか』の予測が難しい」、「ビジネスモデルの転換で、個人のキャリアも変化を余儀なくされる」など、本書の著者は、キャリア形成の視点からいま起きている変化と問題について、五つの「大変化」をあげる。そのなかで、自律的なキャリア形成の必要性がより高まっているとし、著者は「独学」に着目。ここでの「独学」とは、「なぜ」、「何を」、体性」を意味し、本書は、独学力を高める意味合い、専門性コンピテンシーの強化の仕方、独学の進め方などを説く。また、独学者の事例や、独学力の知的基盤となるリベラルアーツ(一般教養)を学ぶ意味、学び方も提示している。主体的な学びは、仕事上のキャリアだけでなく、人生を豊かにするとして、本書はすべての世代に向けて書かれているが、「新しいモデルの仕事は、過去の経験の蓄積だけで適応するのは困難」との見地から、中高年齢者こそ「主体的で継続的な学びが必要」と強調。後進を育成する役割をになうとしても、「自らの専門性を高める意識で、育成の仕方の学び直しが求められる」と指摘するなど、中高年齢者に独学をうながし、独学する際の視点やポイントも紹介している。労働災害防止を現場から学ぶヒューマンエラーとは、「意図しない結果を生じる人間の行為」のこと(厚生労働省「職場のあんぜんサイト」より)。安全対策を徹底しても、ヒューマンエラーによる事故をなくすことはむずかしく、労働現場での事故を分析すると、多くの場合にヒューマンエラーが見つかるという。本書は、産業心理学、安全人間工学を専門とし、心理学の立場から、産業現場における労働災害を中心とした諸問題の解決や現場の安全にかかわってきた著者が、ヒューマンエラーと労働災害の問題に向き合った内容で、月刊『労働基準』(日本労務研究会発行)に連載中の「ヒューマンエラーの心理学」を書籍化したものだ。「人間を知ろうとすること」がヒューマンエラー対策の第一歩であるとして、第1章では、人間をシステムとしてとらえ、「目」や「耳」などの特性や、「記憶」、「感情」が、どのようにしてヒューマンエラーの発生と結びついているのかに迫り、それらによるヒューマンエラーをいかに防ぐかを考察。第2章では、過去の事故事例の分析から学び、第3章では、事故が起こった後のこと、第4章では、安全・安心、成功、違和感をテーマにヒューマンエラーを掘り下げる。個人が安全を学ぶうえでも役立つ一冊。「死ぬまで元気」を実現する5つのM日本人の平均寿命は男女ともに80歳を超えているが、健康寿命は男性では約72歳、女性では約75歳という報告がある。つまり、多くの人が人生最後の数年間は、支援や介護を受けて生きているということだ。本書によると、65歳以上の「約10人に1人は車椅子か寝たきり」、「約5人に1人は認知症」、「約3人に1人は5種類以上の薬を毎日飲んでいる」という。これらの現実を変えて、最期まで元気に暮らすためにはどうしたらよいのか。本書はその答えとして、「5つのM」の課題を整理し、「最高の老後」を実現するための道を示している。「5つのM」とは、「からだ(Mobころ(Mnd)」、「よぼう(Multicompexity)」、「くすり(Medcations)」、「いきがい(Matters 会が提唱したもので、高齢者診療の指針となっているそうだ。この「5つのM」を、ニューヨーク在住の老年医学専門医である著者が、科学的根拠に基づいて、項目別に老化で何が起こるのかを説き、どうすれば最高の老後になるか、そのヒントをまとめている。大■■橋■■智■■樹■ 著/日本労務研究会/山■■田■悠■■史■ 著/57エルダー50のヒント東洋経済新報社/高橋俊介 著/1870円2200円講談社/1980円ミドル、シニアこそ「主体的で継続的な学びが必要」と提唱現場の安全管理者をはじめ、個人の安全確保にも役立つ一冊老化で何が起こるのかを説き、健康に暮らすためのヒントを示す

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