エルダー2023年4月号
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大和ハウス工業株式会社(大阪府大阪市)「キャリア自律」で70歳まで完走できる人財を2013年に65歳定年制を導入会社活性化へシニアの活躍に期待■■■■■■大阪市に本社を構える大和ハウス工業株式会社。住宅総合メーカーのトップランナーとして、自社の人財育成にも積極的に取り組んでいる。企業理念として掲げるのは「事業を通じて人を育てること」。社員一人ひとりが働きながら自身の成長を考え、自己研■鑽■に努めるような企業風土の醸成を目ざしている。同社は本社、東京本社のほか、全国56カ所に事業所を展開し、2022(令和4)年4月時点の社員数は約1万6500人にのぼる。うち3%程度だが、同社はかなり早い時期から、シニア層の活躍に向けた環境整備を進めてきた。2013(平成25)年に定年を60歳から65歳に延長し、60歳以降の処遇の改善を図り、2015年には65歳以降の雇用を継続する「アクティブ・エイジング制度」を導入。意欲と一定の業績が認められるシニア社員を、週4日勤務・1年契約の嘱託社員として70歳まで再雇用している。同社がシニア層の人財確保に力を入れる背景には、慢性的な人財不足がある。なかでも、建築分野の技術者不足は深刻で、経営管理本部人事部の菊■岡■大■輔■部長は「人財が足りないのなら『若い人をどんどん採ればいい』という発想では事業は成り立たない時代」と指摘する。だからこそ「シニアの方々に目を向けて、活躍してもらうことによって、会社を活性化していくことが必要」だという。さらに2022年度からは、60歳一律役職定年制を廃止し、60歳以前も以降も一本化された人事体系へと大きく制度を転換した。ンアップだ。65歳定年制の導入により60歳以降の処遇は見直されたものの、役職定年により60歳前と比べると収入は3~4割ダウンしていた。「業務上の負荷、仕事の重さと報酬が釣り合っていない」という不満の声も出ていたという。その最大の理由は、シニア層のモチベーショ特集170歳就業時代の副業を考える15経営管理本部人事部の菊岡大輔部長エルダー60歳以上は約600人。全体に占める割合は事 例事 例1越境体験・副業の支援制度を導入し

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