エルダー2023年4月号
20/68

ライオン株式会社(東京都台東区)社内セミナーや地方の副業サポートも2020︵令和2︶年に「副業制度」を導入副業は人材開発=個を伸ばすこと副業初心者に向けて地方における副業をサポート■■大手生活用品メーカーのライオン株式会社は、2019年7月より自社社員のキャリア自律や成長のための「働きがい改革」に取り組み、その一環として2020年より原則禁止としていた副業を、申告制にして認める副業制度を導入した。社員一人ひとりが主体的に自分のキャリアを切り開いていく一つの手段として活用できるように、社内の人材開発センターが中心となって副業を支援している。2021年には、既存のルールに一部項目を追加して明文化し、「副業規程」を新設した。規程に追加された内容は、就業時間や休日の取得など、社員の健康上の管理と法律の遵守、機密情報の保持など。2020年9月に厚生労働奈■さんは、副業制度の運用について次のように省が提示した「副業・兼業の促進に関するガイドライン」の内容に則った形となる。人材開発センター人材開発グループの青■木■陽■説明する。「労働時間については、ライオンと副業先での法定時間外労働時間を通算で月80時間以内になるよう自己管理することにしています。例えば、副業先で月30時間勤務する予定にすると、弊社での時間外労働は50時間になるので、この理するという運用となります。毎月弊社の勤務管理システムにて月の副業予定時間を入力し、会社での時間外労働と副業の通算時間が上限を超えないようにシステム上でも管理しています。就業時間外に行うというルールに関しては、当社は多くの部門でフルフレックス※1勤務が可能になっているので、平日の日中に勤務から外れて1時間ほど副業先のミーティングに出席することも可能です。当社で貸与しているパソコンなどの機器は、副業では使用しないことなども定めています」向け説明会を実施し、「働きがい改革」以外の施策の説明とあわせて制度の趣旨説明を行った。社内イントラネットの特設サイトを使い、継続的に情報提供を行っており、副業に関する社内セミナー・ワークショップなども実施している。最近では、労働組合と連携して副業経験者が体験談を語るイベントを開催している。副業制度の導入にあたっては、事前に全社員同社は副業制度を整えるだけでなく、内閣2023.418※1 フルフレックス……7時~21時内の任意の時間に所定時間の勤務を行う制度50時間を超えないように自社の時間外労働を管事 例事 例2自己成長をうながす「副業制度」

元のページ  ../index.html#20

このブックを見る