エルダー2023年4月号
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将来のキャリアデザインに役立つ「自分の強み」を副業で再発見する府が実施している「プロフェッショナル人材事業」※2の「大企業連携」に参画し、社員に対し副業先の紹介なども行っている。「副業を自分の成長に変える」をコンセプトに、より多くの社員が副業にふみ出せるようにという狙いがある。「副業を自分で探して申告する社員が大半ですが、興味はあるけどどう探したらよいかわからないという人も多く、そういった副業初心者の人には『プロフェッショナル人材事業』の地方企業の副業を案内しています。地方といってもテレワークが主で、手厚いサポートを受けながら安心して仕事を決められるため、副業初心者に好評です」(青木さん)2023年3月時点で、プロフェッショナル人材事業への希望登録人材は30人超。同事業を通じた副業成約の実績は16件(2021年6月~2023年2月)となっている。プロフェッショナル人材事業を活用したものも含め、同社の副業経験者の年齢層は20代~60代。職種はスタッフ(事務職)、研究職、営業職、生産技術職と幅広いが、比較的時間の融通が利きやすい研究職、スタッフがやや目立つという。副業先の仕事は、自身が仕事でつちかってきたスキルを活かせる分野のほか、趣味などを活用した分野で活躍している人もいる。働き方としては、9割が業務委託でリモートワークが中心で、副業での勤務時間は月20時間程度。報酬より自己成長をメリットと考えている人がほとんどだという。「自分の実力が客観的にどれくらい通用するものなのか、腕試しをしたい」、「経営者のみなさんと直接話をして、多様な考え方を理解する機会を得たい」、「社外の経験を通じて自己成長したい」という動機で副業を始めている。副業申告者は160人超(延べ申告件数・2023年2月時点)で、副業を経験した社員は9割以上が副業を継続しており、自分自身の成長を実感している人が多いそうだ。副業経験者からは、「副業未経験者に副業をすすめたい」という意見が多数聞かれるという。「副業経験者からは、『いままでやってきたことが社外でも通用することがわかって自信になった』という声を聞きます。当社は離職率が低く、他社での就業経験がない方も多いですが、ミドル・シニア世代が副業をすることは、これまで『あたり前』だと思っていた自身の経験やスキルが他社にも貢献できる『強み』であると再発見するよい機会にもなると思います」(青木さん)経験者は多い。青木さんもその一人で、キャリアコンサルタントの資格を活かし、「コンサルタントとしてより経験値を増やしたい」と、副業解禁を機に個人向けキャリアコンサルティングサービスを展開する会社の採用試験に応募し、現在はキャリア支援者を育成するプログラムの開発にたずさわっている。人材開発センター人材開発グループにも副業 19左から、人材開発センター人材開発グループの大道寺義久さん、稲原隆二さん、青木陽奈さん※2 プロフェッショナル人材事業……45道府県に「プロフェッショナル人材拠点」を設置し、地域企業の「攻めの経営(事業革新や新商品開発などへの積極的な挑戦)」を実践・サポートするプロフェッショナル人材のマッチング支援等を行う事業

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