エルダー2023年4月号
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人材育成のために外部資源を活用するメリットは?高齢社員を対象にした労働災害防止対策チベーションの維持・向上のためにもメリハリが必要ではないかと考え、制度を改正しました。現在はがんばれば評価が上がり、そうでなければ下がります。そういった「がんばろう」と思える環境や仕組みづくりをすることが、会社としては必要なのかなと思っています。内田 ポラスグループでも日鋼設計でも、人材育成に外部の教育資源を活用されていますね。外部資源を活用するメリットについて、お聞かせください。山下 第一に、専門知識・経験を持つ講師に幅広く深い講義をしていただけること。第二に、必要な知識や技術の理解・習得のために工夫された演習があるなど、高い教育技術によって習得効率が上がるのではないかと考えました。また、社内の人材に負担が少ないこともメリットです。新しいことに取り組むときに、経験や成石田 功体験が障壁になることがあり、それを打破するには身内からのアプローチだけではなかなかむずかしいことがあります。そういう意味で、外部の研修を取り入れることが重要と考え、企業内大学では、社員の講師だけでなく、約3割の部分を大学教授をはじめとする外部機関にお願いしています。事例発表では紹介できなかったのですが、2019年から(独)高齢・障害・求職者雇用支援機構のプログラムも活用しています。約1300人の社員が受講しており、シニア向けでは、「生産性向上支援訓練(ミドルシニアコース)」を約100人が受講しています。こういう機会があると、自分自身の得手・不得手などの理解が促進されますし、シニア向けでは、SNSやクラウドといった新しい知識も学ぶことができ、それまで避けていた分野であっても「ちょっとやってみようかな」といった動きも見えることがあります。身内だけでやると甘えが出てしまうこともありますから、外部の機関を活用した学ぶ機会は重要だと思います。内田 ね。ありがとうございます。内田 最後に、労働災害防止対策について、特に、高齢社員を対象にした取組みや、どういう観点で取り組んでいるのかについてお聞かせください。山下 作業を管理するという観点で、時間外労よいきっかけになったということです働の制限、所定労働時間の短縮といった制度を設けています。労働時間を短縮するための工夫として、高齢社員には技能を伝える側に回ってもらい、できるだけ若手に作業をしてもらうようにしています。これにより、作業のペースや仕事量を自分でコントロールすることができます。もう一点、加齢により低下する身体能力を補2023.430日鋼設計株式会社取締役総務部長の山下法夫氏

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