エルダー2023年4月号
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うための取組みとして、バリアフリー化、職場環境の改善などにも取り組んでいます。また、5S※6活動や、ペーパーレス化により紙ファイルの保存運搬の負担をなくすということにも取り組んでいます。石田 高齢社員を対象とした取組みとしては、事例発表でも紹介した体力測定に取り組んでいます。また、高齢社員にかぎらないのですが、定期健康診断後のアプローチを厳しく徹底して行っています。内田 三觜さんにもお聞きしたいのですが、企業から寄せられる相談にはどういった内容のものがあるのでしょうか。また、高齢社員が働く職場について、特に気をつけてほしい点について教えてください。三觜 外的な環境としては、やはり職場の環境を整えることがまず重要です。もちろん、内部的な環境、あるいは要因といいますか、高齢者特有の問題や健康問題への対応も重要となります。そういった対策も行っているうえで労働災害がどうしても起こってしまう、という相談を受けることもあります。また、リスクテイキングという部分なのですが、いわゆるベテランであるがゆえに、「このくらいなら大丈夫だろう」、「ちょっと省略してしまおう」というような行動をしてしまう。いわゆる「不安全行動」ですが、そういったことの対策が見逃されていることもあるようです。こうした不安全行動や油断に対して、どんな対策がとれるのか。中災防などで行っているものに、「危険予知トレーニング(KYT)」というものがあります。一度、本音で語り合い、「こういう省略はやっぱりよくないよね」といったことを、事例を出しながら話し合いをしてもらう。そういった取組みも必要ではないかと思います。内田で仕事をするようになってしまい、中堅や若手の人たちが「そのやり方は間違っているのではないか」と思ってもいえないことがあるかもしれません。しかし、事故が起きては困りますから、何らかの対応が必要でしょう。そういったことも含めて、重要なのは、会社のトップのリーダーシップであろうかと思います。例えば、「シニアの人たちに活き活きと働いてもらいたい、がんばってもらいたい」、だからこそ「いうべきことはいう」。そして、がんばってもらったら、ちゃんとそれを認める。こうした流れが、実績として示されることが重要なのではないのかと、いろいろなお話をうかがいながら感じたところです。ベテランであるからこそ、我流に近い形本日はありがとうございました。特集2生涯現役社会の実現に向けたシンポジウム31※6 5S……整理、整頓、清掃、清潔、躾の頭文字(S)に由来する、職場環境の維持・改善活動ポラスグループ ポラス株式会社人事部長の石田茂氏エルダー 

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