エルダー2023年4月号
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米屋から古着屋に島■出身の飯■田■儀■兵■衛■の娘・秀■のム京都の古着屋角■田■で行商をしていた鉄次郎は、近■江■(滋賀県)高■コになった。家業は米屋だった。しかし鉄次郎が、 「将来は、どうしても古着屋をやりたい」 といい、秀も賛成していた。鉄次郎はムコになると同時に新■七■と名を改め、米屋の店名も「高島屋」と変えていた。そういうムコの心づかいに、儀兵衛は胸をうたれ、こういった。 「わしも老■齢■だ。まもなく隠居する。わしが隠居したら、新七よ、おまえは古着屋になれ」 「はい、ありがとうございます」その日がきた。儀兵衛は隠居した。もっとも秀がせがんだせいもある。 「お父さん。早く隠居しなさいよ。新七さんがおじいさんになっちゃうじゃないの」 「うるさいな、亭主のことばかり心配して、おやじのことは心配しない。おまえはそんな親不孝な娘だったのか?」 「むずかしいところね。親を大事にすれば亭主は立たず、亭主を大事にすれば親は立たず」 「平■重■盛■みたいなことをいうな。よしよし、隠居しよう」娘可愛さに儀兵衛はついに隠居し、米屋の店もたたんだ。ちょうど近くに売屋が出た。それを買って新七と秀に贈った。 「その家で古着屋をやれ」 「ありがとうございます」■■■2023.438[第125回]  ■■   ■■■■■■■ ■

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