エルダー2023年4月号
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―管理職、非管理職という区別ではなく、みですね。どんな効果が得られるのでしょうか。―中小企業がジョブ型雇用・賃金を導入する場合は、どのように進めればよいでしょうか。ア自律に向けた意識改革も必要ですね。―制度導入と同時に、労働者自身のキャリ一気通貫した賃金制度の構築・運用にはジョブ型雇用・ジョブ型賃金が有効なると年功要素を一切なくし、職務給1本にするという仕組みです。上野 若い人は45歳までに自分のやりたい仕事に挑戦し、「やってみたが合わなかった」という経験も含めて、キャリア開発につながるメリットもあります。60歳以降は仕事の価値で給与が決まるので、当然、優れた技能・スキルを持っている人は高い報酬をもらえます。そのため、45歳以降は60歳以降を見すえて、職務スキルを磨くなど、キャリア自律の意識が醸成されていくことなども期待できます。こうした制度を構築・運用していくためにも、従来の福祉型雇用から脱却し、若手も高齢社員も仕事に対する意欲が持てる一気通貫の制度を考えていくべきでしょう。ただ、ジョブ型雇用で欠かせない「仕事に値段をつける」というノウハウを、ほとんどの企業は持っていません。参考になる資料として、厚生労働省の「職務評価を用いた基本給の点検・検討マニュアル」※があります。同一労働同一賃金の観点から作成され、必ずしも高齢者雇用を前提としたものではありませんが、職務評価の手法についても説明されていますし、役立つと思います。上野 いのでなかなかむずかしいと思いますが、業中小企業の場合はマンパワーも足りな界団体などを通じた支援を受けて取り組むのも一つの方法です。また、制度の導入に熱心な社会保険労務士もいます。先ほど紹介した「職務評価を用いた基本給の点検・検討マニュアル」のように、国がマニュアルを用意し、助成金による支援制度などと組み合わせながら、社会保険労務士がコンサルタント役をにない、中小企業がジョブ型雇用・賃金の導入支援を行う仕組みなどがあるとよいかもしれませんね。上野 キャリア面談です。若い時期から自分の職業人生をどうしていくのかを考えてもらい、目ざす目標を明確にし、そして会社がそれを応援する姿勢を示していく。できれば上司や人事担当者との1対1の面談を節目ごとに実施し、若いときだけではなく60歳以降も継続して行うことが大事だと思います。キャリア自律のポイントの一つは、3※ 「職務評価を用いた基本給の点検・検討マニュアル」https://www.mhlw.go.jp/content/001042386.pdfエルダー45歳で段階的に職務給に移行するという仕組

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