エルダー2023年4月号
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マインドセット■言葉の定義を一致させるお互いの言葉の定義(何をさしているのか)が一致していない状態もあり、ときにフィードバックしても話がかみ合わないことがあります。「相手が受けとめた内容が、コミュニケーションの結果である」といわれます。コミュニケーションを図る際に〝どう伝えるか〟は重要です。しかしときには〝どう伝わっているか〟ということにより意識を置き、自分の意図が正しく理解されているかを確認することも必要です。■フォローを忘れない年下上司はフィードバックをした後、その内容を時間の経過とともに忘れてしまっている、ということが意外に多くあります。しかし、フィードバックされた年上部下はその内容を念頭に置き、伸展や改善に向けた活動を行います。上司がそれを意識せず、取組みのフォローをしなければ指導としては不十分でしょう。そしてこのような状況になると、上司・部下間の信頼関係が損なわれ、高齢社員のモチベーションダウンも懸念されます。人の成長にはさまざまな「気づき」が必要です。しかしその「気づき」は、プラス・マイナスにかかわらず、他者から伝えられることで得られる「気づき」が大半です。だからこそ、フィードバックが重要となります。以前、私は次のような言葉を教わりました。「フィードバックしないことは罪である。フィードバックしない上司は悪である」。この言葉にフィードバックの重要性が集約されていると痛感させられました。「1on1」で事の大小を問わず、感じたことを部下の方々にフィードバックし、成長へとリードしてあげましょう。5「マインドセット」という言葉があります。人はさまざまな経験から、自分の価値観や信念、また思考習慣や思い込みなどが固定化される、という意味の言葉です。これらを基に、人は自分なりの基準で物事を考える傾向が強化されます。これがプラスに作用する場合はよいのですが、マイナスに働いてしまう場合があり、それが人の成長を阻害してしまうケースがあります。このマイナスを回避するためには、現状のマインドセットに新たな視点を加え、マイナスの思考やそれにともなう行動をプラスに好転させる必要があります。ただ、人は自力で思考習慣を変えたり、思い込みや固定観念を排除することは非常にむずかしいといわれます。そのため、多くの場合は先述した他者からのフィードバックやアドバイスなど、客観的な立場からのサポートを必要とします。づきの促進であり、年下上司が高齢社員に行うことのねらいといえます。「1on1」に関しては、ときに部下の方々から・単にコーチングスキルで詰め寄られるだけ・雑談だけで意味がない、時間の無駄でしかない…・部下のための時間といいつつ、年下上司の話といった不満の声を耳にします。らいではありません。高齢社員を理解し、日々の言動のなかから課題をつかみ、よりよい方向へと導く考え方や行動を伝える取組みです。と思います。「1on1」を通じてマインドセットに好影響を与えることで、高齢社員は、年下上司に信頼を寄せるようになってきます。結果、高齢社員の活性化が図られ、成果創出に導けるのではないでしょうか。理職の支援方法について触れてきました。微力ながら、このメッセージが読者のみなさんのお役に立てることを願っています。いいかえれば、これが「1on1」における気で、憂鬱になる…をひたすら聴く時間にすぎない…しかし、これらは当然ながら「1on1」のね人と人は、信頼関係のうえに成り立っている◆  ◆  3回にわたり、高齢社員の活躍をテーマに管高齢社員活躍のキーマン49エルダー◆管理職支援をはじめよう!管理職支援はじめよう!

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