エルダー2023年5月号
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支援が受けられることを多くの従業員に認知してもらいたいがん治療と仕事の両立の相談の場と制度があることを従業員に周知株式会社村田製作所は、1944(昭和19)年に京都府京都市で創業し、世界的な総合電子部品メーカーに成長した。「独自性」を追求することを常に大切にして、時代の最先端を走る電子部品を開発・生産し、世界のさまざまなメーカーに提供。それらの電子部品は、スマートフォンやパソコン、テレビなど、私たちの身の周りのあらゆる電子機器に使用されており、多くの人の豊かな暮らしの実現に貢献している。従業員数は、約7万7600人(連結)。うち、国内で働いている従業員が約3万2000人である。同社では、2019(平成31)年4月に「ムラタ健康宣言」を発表し、この宣言をベースにした健康経営プランに基づく取組みを推進している。同年10月には、「がん治療と仕事の両立支援制度」を創設し、がんを中心とした治療と仕事の両立を図るための支援をスタートさせた。同社が、「がん治療と仕事の両立支援制度」を創設したのは、がん患者を対象に行った2013年の調査※で、がんと診断後に約4%の人が解雇され、約30%の人が依願退職していると知ったことがきっかけだった。同社サステナビリティ推進部健康推進課の大■柿■麻■有■子■シニアマネージャーは、「がんは、通院治療を受けながら働くことが可能な病気となってきているにもかかわらず、これほど多くの人が仕事を辞めていることに衝撃を受けました」と当時の思いを明かす。「がんと診断されてすぐ『治療と仕事の両立は無理だ』と最初からあきらめてしまう人がい■■株式会社村田製作所(京都府長岡京市)特集病気の治療を続けながら働ける会社へサステナビリティ推進部健康推進課 大柿麻有子シニアマネージャー15エルダー※出典: 「2013 がん体験者の悩みや負担等に関する実態調査報告書」,「がんの社会学」に関する研究グループ企業事例

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