エルダー2023年5月号
24/68

とび・土工工事は危険をともない、安全が第一とされるなかで高齢者にとっては厳しい就労環境にある。一方で、長年にわたり研■鑽■を積み、高い技術と技能を身につけた高齢職人たちの知識と経験を次世代に引き継ぐことは、技術大国日本の復活には不可欠である。一般社団法人日本鳶工業連合会では、2011(平成23)年に「とび・土工工事業高齢者雇用推進の手引き」を作成し、会員企業に配付。高齢者雇用推進の指針として活用してきたが、2021(令和3)年の改正高年齢者雇用安定法の施行をふまえ、同業界における高齢者雇用に対する現状と問題点、そして課題について検証し、時代に即した高齢者雇用推進方策を当ガイドラインに取りまとめた。本書の構成は次の通り。「Ⅰとび・土工工事業における高齢職人の活躍に向けた考え方」では、とび・土工工事業において高齢職人のさらなる活躍が求められる背景とともに、同業で働く高齢職人の活躍に向けた考え方を整理している。「Ⅱ 躍に向けた9つのポイント」では、とび・土工工事業高齢者雇用推進委員会での検討結果をもとに、人手不足下において高齢職人の活躍を推進しながら企業の発展を進めていくために取り組むべき以下の九つのポイントをまとめている。・職人一人ひとりの能力や適性にふさわしい仕事に就いてもらう・短日・短時間勤務で働いてもらったり、職人同士で仕事を分かち合う・高齢職人の職務内容や会社への貢献度合いに応じた賃金・処遇制度とする・安心・安全に働いてもらうためのさらなる安全対策の徹底・健康であることが職人として長く働くためのとび・土工工事業における高齢職人の活・高齢になっても働き続けるために求められる・職人同士の支え合いを促す人間関係を構築す・長く働くことができる会社であるための制度・年齢による入場制限への対応「Ⅲとび・土工工事業における高齢者雇用の現状と課題」では、2021年度に実施したアンケート調査の結果を紹介。企業向けのアンケート調査と同時に、働く職人を対象としたアンケート調査も行っており、同業界の高齢者雇用の現状と課題、各社の取組みについて多面的にとらえることができる。法の概要、年金制度改正、在職老齢年金と高年齢雇用継続給付の仕組みなどについて説明。また、高齢者雇用に関する情報一覧を示し、運用上の課題解決に向けて相談ができる支援機関を紹介している。前提条件能力開発の推進づくり巻末の「参考資料」では、高年齢者雇用安定P.p―――― ―――■■1る一般社団法人日本鳶工業連合会産業別高齢者雇用推進ガイドライン〜人生100年時代!活躍の場・生きがいを求めて!〜とび・土工工事業高齢者がバトンをつなぐ未来のガイドライン所〒1050011 東京都港区芝公園3520日鳶連会館34348805 54725747住 TEL03FAX03H  https://nittobirenor.j2023.522

元のページ  ../index.html#24

このブックを見る