エルダー2023年5月号
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鉄リサイクル業においては、多くの高齢者が第一線で活躍しているが、生涯現役社会の実現に向け、高齢者が働きやすい環境の整備がますます重要な課題となってきている。また、多くの事業所が若年者の採用を望みがちであるが、高齢者を大切にする職場は若年者にとっても働きやすいことを理解することも必要である。本ガイドラインでは、鉄リサイクル業が高齢者雇用を推進していくうえでの三つのポイントや、現在の課題を解決するためのヒントを紹介。各ポイントの解説では、「こんなときどうしたら…?」の見出しで、事業所が直面しうる状況を想定し、解決方法を示している。あわせて、製造業や塗装業など比較的業容が近い業界の具体的な取組み事例があり参考になる。「1高齢者の体力・健康面への配慮」の章では、加齢にともない身体能力が低下し、持病を抱えることが多くなることはやむを得ないとしたうえで、「夏の暑熱、冬の寒さは身体的な負担が重い」、「お酒やたばこを控えさせたい」をテーマに高齢社員向けの対応策を紹介している。「2技能を伝承するための取組と工夫」では、同業界での技能伝承が「日々の業務を通じた伝承・継承」を基本としており、円滑に行われていないことを指摘。問題点として「技能が属人化し、説明がしにくい」、「教えたり接するのが苦手」を掲げており、それぞれの対応策を提示している。「3高齢者のモチベーションの維持」では、役職からの降任、賃金の低下、仕事内容の変更などにより、仕事へのモチベーションが低下してしまう高齢社員も見受けられ、その背景には、社員が定年後のキャリアについて考える場を提供していないことや、企業が高齢社員に何を求めているかしっかり伝えていない例が少なくないことを指摘。その解決策として「定年後を見据えた従業員との面談のタイミング」を示している。また、面談の際に人事担当者や管理職が面談時にそのまま利用可能な「定年後を見据えたベテラン従業員との面談チェックシート」をダウンロードできるURLを掲載している。と題し、改正高年齢者雇用安定法の概要や70歳までの雇用推進に向けて必要な施策、人事制度改定の手順や具体的な高齢者雇用などの事例を掲載した、当機構発行の「70歳雇用推進マニュアル」、「70歳雇用推進事例集2022」を紹介して活用をうながしている。イドラインで取り上げた三つのポイントについて解説した、約20分間の動画コンテンツを作成。ガイドライン内にある二次元コードを読み取ったWebサイトで視聴することができる。再現ドラマを交えた情報番組のような解説と、高齢者雇用に取り組む事業所のインタビューで構成され、高齢者雇用のポイントがわかりやすくなっている。巻末には、「活用できる公的助成策・情報源」なお、同業高齢者雇用推進委員会では、本ガ一般社団法人日本鉄リサイクル工業会産業別高齢者雇用推進ガイドラインその経験、活かせます!ベテランの活躍が鉄リサイクル業の未来を拓く鉄リサイクル業.jisri.or.j所〒1030025 4― Pp――――――東京都中央区日本橋茅場町356951541 56951548210鉄鋼会館内住 TEL03FAX03H  https://www25エルダー「産業別高齢者雇用推進ガイドライン」のご紹介特別企画

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