エルダー2023年5月号
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食品リサイクル業界は比較的新しい業界であるため、生え抜きの社員がまだ定年を迎えていない会社も少なくない。しかし、人手不足の影響で社員の高齢化が進んでいるほか、他業種で定年を迎えた後に雇用されている人も多く、そのため、定年の年齢の考え方は60歳ではなく、同業界の仕事は、「収集・運搬」と「選別・分別」というまったく異なる二つの職種に分けられ、高齢者雇用上の課題も異なる部分が多い。特に安全面の配慮において、前者は高齢ドライバーの適性の問題、後者は他業種からの高齢転職による技術・経験の不足の問題などがあげられる。そのため本ガイドラインでは、これらの特徴を考慮した取組みのポイントを紹介。個人の意向の積極的な把握と組織の方向性の適切な伝達をはじめ、健康管理、モチベーションの維持・向上、スキルマップの活用などを円滑に行う手段として、参考になる他業種の事例や、基本的な取組みのチェック項目を掲載するなど、現場の取組みを推進するための手引きとして使用できる工夫を施している。本書の構成は以下の通り。「Ⅰ食品リサイクル業における高齢者の活躍に向けた考え方」では、同業界において、さらなる高齢社員の活躍が求められる背景や考え方などを整理している。「Ⅱ食品リサイクル業における高齢者の活躍推進のための指針」では、食品リサイクル業高齢者雇用推進委員会での検討結果をもとに、業界各社が高齢社員の活躍を推進するために取り組むべき四つの指針を紹介。「指針1組織と個人の目指す方向感の一致」、「指針2通じた高齢者のモチベーションの維持・向上」、「指針3高齢者の安全性確保の徹底(リスク管理の徹底)」、「指針470歳までの就業を目指した組織としての基盤整備」となっており、内容をより深く理解しやすくするために、関連するアンケート調査やヒアリング調査結果、他業種での取組み事例などをあわせて紹介している。また、指針2の項目では、高齢社員それぞれが持つ技術や能力をわかりやすく整理できる「スキルマップ・シート(例)」を掲載するなど、実践的で活用しやすい内容となっている。「Ⅲアンケート調査結果」では、食品リサイクル業における高齢者雇用の現状と課題、各社の取組みを多面的に把握するために、2021(令和3)年度に実施したアンケート調査結果を紹介している。関するさまざまな情報を掲載。改正高年齢者雇用安定法の概要や、厚生年金や同一労働同一賃金など、高齢者雇用と関係の深い制度の概要をはじめ、高齢者雇用に関する支援機関や助成金などについても紹介している。仕組みを巻末の「Ⅳ参考資料」では、高齢者雇用に一般社団法人全国食品リサイクル連合会産業別高齢者雇用推進ガイドライン食品リサイクル業高齢者の活躍に向けたガイドライン所〒3380836 6― ――――Pp――埼玉県さいたま市桜区町谷27678099 7678151111―302号住 TEL048FAX048H  https://syokuri.j27エルダー「産業別高齢者雇用推進ガイドライン」のご紹介65歳か70歳がすでに標準的になっている。特別企画

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