エルダー2023年5月号
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Q11退職金については、これまでにも何度か触れてきましたが、会社が定めないかぎりは、その支給義務はなく、また、その支給条件についても、会社が定める内容に従うことになります。例えば、懲戒事由が存在する場合には、退職金の金額を減額するような規定についても、就業規則や退職金規程にあらかじめ定めていたのであれば、懲戒事由の重大性などを比較して合理的な範囲であればその減額が許容されることもあります。そのため、会社に退職金に関する就業規則や規程がなく、労働契約においても退職金の支給約束などをしていないかぎりは、会社が労働者に対して、退職金の支給義務を負担するということはほとんどありません。が適用されて、退職金支給義務を負担することがあります。一つは法人格が否認される場合で、もう一つは労使慣行に準ずる形で関連会社の退職金規程が適用されるようなケースです。2法の形骸にすぎない場合、またはそれが法律の適用を回避するために濫用されるが如き場合においては、法人格を認めることは、法人格なるものの本来の目的に照らして許すべからざるものというべきであり、法人格を否認すただし、例外的に、自社以外の退職金規程人格の否認については、「法人格が全くグループ会社の退職金規程は、自社にも適用されるのですかグループ会社間の就業規則の不整合や過去の取扱い例などから、退職金の支給を認めた事案があるため、自社の過去の対応や就業規則の記載を確認する必要があります。退職金制度について法人格否認に関する裁判例自社には退職金規程がないので、退職金を支給しなかったところ、グループ会社の退職金規程を根拠に退職金の支給を請求されました。グループ会社とはいえ、他社であるため、退職金の支給は不要と考えていますが、問題はあるでしょうか。2023.546弁護士法人ALG&Associates 執行役員・弁護士 家永 勲 人事労務担当者にとって労務管理上、労働法の理解は重要です。一方、今後も労働法制は 人事労務担当者にとって労務管理上、労働法の理解は重要です。一方、今後も労働法制は 人事労務担当者にとって労務管理上、労働法の理解は重要です。一方、今後も労働法制は 人事労務担当者にとって労務管理上、労働法の理解は重要です。一方、今後も労働法制は 人事労務担当者にとって労務管理上、労働法の理解は重要です。一方、今後も労働法制は変化するうえ、ときには重要な判例も出されるため、日々情報収集することは欠かせません。本連載では、こうした法改正や重要判例の理解をはじめ、人事労務担当者に知ってもらいたい労働法などを、Q&A形式で解説します。第60回グループ会社における退職金規程の影響、セクシュアルハラスメントへの介入の是非A知っておきたいA&A 人事労務担当者にとって労務管理上、労働法の理解は重要です。一方、今後も労働法制は&Q労働法

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