エルダー2023年5月号
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プレイヤーとして長く活躍するためにもベースとなる職業能力の維持・向上を帯の収入額は、公的年金や民間の保険金などの合計で月に約25万円です。家計支出額は円。月に10万円稼げば十分なのです。時給1000円なら月に100時間働けば稼げます。1日5時間、20日働く、あるいは1日8時間のフルタイムでも12日なので、体力・健康を維持しながら無理なく稼ぐことができます。しかも1世帯で10万円なので、夫婦2人とも働けば楽に稼げる水準だと思います。坂本 とです。これまで大きかった仕事の負荷が徐々に緩和され、心地よいレベルで仕事をしている人が多いのだと思います。データを見ても高いスキルを持ち、高い報酬を得ながら活躍し続けている人は本当にごくわずかです。もう一つは、仕事への向き合い方や価値観が変わっていくことです。現役世代は「課長、部長に昇進したい」、「高い報酬を得たい」という志向を持ち、高みを目ざして仕事をすることはきわめて健全なことです。しかし年齢を重ねるうちに仕事の進め方がむずかしくなる傾向にあり、あるいは管理職として社内の調整に追われ、だれの役に立っているのかがわからなくなるなど、40〜50代で心の葛藤を抱える人が大勢います。これまでの職業人生をふり返り「右肩上がりのキャリアを続ける一番大きいのは仕事の負荷が少ないこことはむずかしい」と内省し、仕事に対する考え方を変えていくプロセスを経る人が多いと思います。  3しからん」という議論もありますが、いまま間管理職的な仕事から一プレイヤーの仕事に移行し、例えば、現場でお客さんと向き合う仕事をすることで、だれかの役に立つことにやりがいを感じるようになる人が増えていくというデータもあります。「ポストオフはけでと同じキャリアの継続はむずかしいことが多く、どこかのタイミングで考えざるを得ないと思います。そうして徐々に意識を変えていかないと、定年後も含め長期に働くこともできません。坂本 酬を得ることを目ざすだけではなく、その先さらに役職定年でポストオフになって、中やはりいまの会社で上の役職や高い報―それでも現役世代からすれば、「小さな仕事で充実感が得られるのか」という疑問もあると思います。なぜ満足できるのでしょうか。を長く続けていくために、定年前の人たちはどんな準備や心構えが必要でしょうか。―定年後の再雇用を含めて豊かな職業人生エルダー32・1万円なので、差額はマイナス7・6万

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