エルダー2023年5月号
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今回は採用について取り上げます。人事のうえでの採用とは「企業などに必要な人材を確保するために雇い入れること」をさします。採用に関する基本的な種類から押さえておきたいと思います。まずは、対象者の違いでみていきます。・新卒採用…一定の時期に学校を卒業する見込みのある学生(新卒)を採用することです。大学卒や高校卒、専門学校卒など学歴別に定員を定めて採用するケースがほとんどです。基本的には就業経験のない学生を採用することになるため、入社後の育成を前提に潜在的な能力を期待した採用(ポテンシャル採用)となります。・中途採用…新卒と異なり、すでに就業経験のある人材を採用することです。多くの場合は、社員の離職や事業の拡大などにより不足した労働力の確保を目的として行うため、他社での経験やスキルを活かし即戦力となることを期待した採用(キャリア採用)が主となります。なお、学校を卒業後に3年間程度の就業経験のある者を第二新卒と区分し、一定の就業経験と潜在的な能力の両面を期待し、・一括採用…特定の期間に採用活動を行い、定・通年採用…期間を特定せずに年間を通して採いきます。・職務の限定なし…入社後の職務について特に・職務の限定あり…入社後の職務内容を明確化採用することもあります。次に、採用時期の違いについてみていきます。められた日にちにまとめて入社させることです。主に新卒採用が対象で、卒業後の4月1日に入社させることが多いため新卒一括採用とも呼ばれます。広報活動・採用選考などの採用活動の時期については、現在は政府が、学生の学業への影響を配慮して、広報活動開始日・採用選考活動開始日・正式な内定(企業が雇用する意思を本人に伝える状態)日に分けて要請を出しています。用活動をし、入社をさせることです。必要な労働力を確保したい時期に採用を行う中途採用が主な対象となります。次に、採用時の職務限定の有無についてみては限定せずに、ジョブローテーションによってさまざまな職務を経験させることを前提とした採用で、総合職採用ともいいます。従事する職務ありきでなく、企業の一員として人を雇用するという意味からメンバーシップ型雇用と呼ばれることもあります。採用にはいろいろな種類がある2023.552株式会社グローセンパートナー 執行役員・ディレクター 吉岡利之 人事労務管理は社員の雇用や働き方だけでなく、経営にも直結する重要な仕事ですが、制度に慣れていない人には聞き慣れないような専門用語や、概念的でわかりにくい内容がたくさんあります。そこで本連載では、人事部門に初めて配属になった方はもちろん、ある程度経験を積んだ方も、担当者なら押さえておきたい人事労務関連の基本知識や用語についてわかりやすく解説します。「採用」第34回■■■■■■■■いまさら聞けない人事用語辞典

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