エルダー2023年6月号
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シニアの採用でミスマッチを懸念する企業は少なくありません。シニアは即戦力が求められ、若手のように今後の成長には期待しないためです。そもそも雇用や人事でのミスマッチは、求めるものや期待するものと実態とのズレが原因です。選考時にこと細かなすりあわせや調査検証をして、ズレを徹底的になくすのが最良といえますが、コストなどから現実的ではありません。また実際のズレは、線引きのむずかしい曖昧な部分で多発します。シニアにかぎらず、仕事で「本人がやりたいこと」、「本人が得意なこと・やれること」、「会社がやらせたいこと」、「やることが必須であること・やることが成果につながること」がそれぞれ少しずつ違っているだけで、大きなすれ違いとなることもあります。まして令和の現在は、シニアの働き方も含めて変化が目まぐるしく、ちょっとした時間経過と変化でズレが生じ、ミスマッチにつながることもあるでしょう。今回はそうした時代の変化も含めて、シニア採用におけるミスマッチの防止策と、成功のポイントを解説します。時代の変化がミスマッチを生むならば、コロナ禍、ウクライナ情勢、金利や為替といった大変動が起きているいま、これらの影響によるミスマッチも少なからずあるでしょう。また、そうした混乱とは別に、シニアを含めた日本の働き方もここ数年で大きく変化しています。法制度やルールも刻々と変化し、会社と人材双方で、それについていけずにミスマッチを生んでいることがあります。021(令和3)年に施行され、70歳までの就業機会確保の努力義務が企業に課せられました。これに先立って進められてきた希望者全員65歳までの雇用を義務づける高年齢者雇用確保措置は、99・9%の企業で実施されており※、定年廃止や定年延長、継続雇用のいずれかの雇用形態で65歳まで雇用するルールとなっています。る方向に改正が行われ、年金なども働き続ける人や年金をもらうのを遅らせた人が有利な制度へと変化しています。「雇用保険マルチジョブご存じのとおり改正高年齢者雇用安定法が2そのほかの法制度などでもシニアが働き続けシニアのミスマッチはなぜ起きるのか?時代の変化がミスマッチを生む?シニア人材採用のミスマッチを防ぎ激動の時代を生き残るポイントとは?中な島じ康や恵よまかすし株式会社シニアジョブ代表取締役11※ 厚生労働省「令和4年 高年齢者雇用状況等報告」よりエルダー特集シニアの“強み”を活かし会社の“弱点”を埋めるシニア人材採用解 説

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