た「NEXTライフワークプロジェクト」を同市経済局と協働で進めてきた。NEXTワークしずおかが幅広くシニアの就労・社会参加ニーズに対応するのに対し、経済局は高度な能力を発揮する人材に対応し、相互に連携する枠組みを形成している。2022年度から実施している静岡市の生涯現役地域づくり環境整備事業の特徴は、NEXTワークしずおかにおけるマッチング支援と、重点業種を絞った就労支援にある。メインの取組みであるNEXTワークしずおかの運営では、就労相談、就職説明会、面談会の実施、SNSやホームページを活用した情報発信を行っている。相談業務はNEXTワークしずおかの常設相談窓口(葵区)以外に、市内2カ所の区役所で出張相談会を実施し、2022年度の相談件数は800件を超え、目標値の700件を大きく上回った。2023年度は引き続き、ていねいなヒアリングと相談対応を行い、出張相談会は清水区で3回、駿河区で2回と、それぞれ回数を増やして開催する予定である。事業のもう一つの特徴は、介護分野とサービス分野(警備、ビル・マンション管理、清掃)を重点業種として設定し、人材の送り出しを図っている点だ。「前事業の3年間でシニア採用に積極的な姿勢を見せた企業が、介護と警備や清掃サービスの分野でした。どこも慢性的な人材不足で求人が豊富にあります。働きたいシニアがその分野で働ければマッチング率が高まりますが、仕事がたいへんな業界でもあり、イメージアップを図る取組みをしています」(一ノ宮マネージャー)マッチング支援重点業種同協議会では、介護の仕事の魅力を発信するため「シニア向け介護・福祉のシゴトガイドブック」を作成し、相談窓口で仕事内容について説明する際に活用している。実際に働いているシニアの仕事ぶりを写真を交えてわかりやすく解説した内容となっている。同じく魅力を発信する試みとして介護業種に絞った「お仕事面談会」を2地域で実施。静岡市保健福祉長寿局地域包括ケア・誰もが活躍推進本部誰もが活躍推進係の木村あゆみ副主幹は次のように説明する。「『介護施設は郊外に多いので通えない』という理由で、事業所と求職者との面談が進まない事例が多くありました。そこで地区を絞り、地域にある介護施設を運営する事業所に声をかけるとともに、地域に住む人に応募を呼びかけ、ハローワークと共催して面談会を実施し、マッチング率向上をねらいました。目標より多くの事業所とシニアに参加してもらうことができました」つかめるオープンカレッジなども実施している。受講者は自分が介護を受ける心構えを養うことができ、その心構えを活かして働けるような学びができる研修内容となっており、今後は研修内容をブラッシュアップしていく。マッチングが進まない実態もあり、シニア側の理由として、資格が必要な仕事と考えていたり、仕事の負荷が大きいと尻込みをしてしまう傾向があることなどがあげられる。そもそも、シニアは週に3〜4日程度、3〜4時間または4〜6時間程度働きたいという人が大半であることが、1500件以上の相談実績から判明していた。そこでシニアの能力とニーズをすりあわせ、柔軟な働き方ができるよう、業務の切り出しを事業所に提案した。「介護業務以外の周辺業務はシニアが十分にできるものです。家事の経験が活かせる調理や洗濯のほか、介護の資格がなくてもになえる送迎業務をはじめ、音楽演奏や園芸、工作といった趣味・特技を活かした仕事など、さまざまな形で施設の利用者を支えることができます。働きたいシニアは多くても、初めから介護業で働また、より実践的な介護の仕事のイメージをこうした取組みが進む一方で、介護分野の①介護分野の就労促進2023.620
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