エルダー2023年6月号
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1第回「■あるある」から仲間と起業しかし課題も見えていたシニア人材に何を求めるか? シニア人材には何が必要か?自分たちに足りない技術や知識はプロフェッショナルに学ぶ新連載スタートアップシニア人材奮闘闘記記■■■■■■■■■当社は2014(平成26)年に代表取締役社長である河■瀬■航■大■や私など、当時20代のメンバー6人で創業したベンチャー企業です。主力製品は既存のドアに後づけが可能な、「A■kerun」というクラウド型入退室管理システム。普通のドアだけでなく、電気制御の鍵や自動ドアにも対応できること、大がかりな取付工事が不要でIoTを活用した入室権限・入退室記録の管理が簡単に実現できること、そして低コストで導入できることなどから、現在までに累計7000社を超えるユーザーに導入していただいています。起業のきっかけは創業メンバーやその友人との飲み会で、「物理的な『鍵』ってイケてないよね」という話が出たことが始まりです。当時のメンバーは、メーカーやIT企業に勤務しており、それぞれがプログラム開発に興味を持っていました。「鍵がなくて部屋に入れなかった」とか、「鍵の受け渡しのためにガスメーターに隠すのはリスクが高い」といった、「鍵あるある」で盛りあがっているうちに、「パソコンで指定した人にだけ権限を付与することはあたり前にできるのに、なんで物理的な鍵はこんなに面倒なんだろう」という話になったのです。そこで「だったらIT技術を駆使して自分たちで新しい鍵システムを開発してみよう!」と、最初はあくまで趣味としてスタートしたのです。い、プロトタイプ(試作品)ができあがったころ、代表の河瀬が当時勤めていた株式会社ガイアックスさんなどから出資していただいた資金をもとに株式会社Photosynthが立ち上がりました。そのとき、出資だけでなくガイアックスさんの物件だったアパートもお借りすることができ、そこが最初の拠点となりました。が、後に当社でなくてはならない存在となるシニア人材の深■谷■弘■一■さんでした。そのときのメンバーが中心となって開発を行そして、そのアパートでの面接で採用したの当時は、自分たちの得意な技術をそれぞれにフォトシンスフォトシンス2023.646株式会社株式会社PPhotosynthhotosynth取締役取締役 起業したばかりのスタートアップ企業においては、はじめてのことばかりで経営や事業にはうまくいかないことや課題にぶつかることが数多くあります。そこで、「スタートアップ企業にこそ、経験豊富で実務のノウハウを持ったシニア人材が必要」という声もあり、実際に、その経験を活かしてスタートアップ企業で働く高齢者も増加しています。 このコーナーでは、スタートアップ企業に必要なシニア人材をどう見出し、活用し、活躍に結びつけていくかについて、実際にスタートアップ時にシニア人材を採用し、現在も活躍中である、株式会社Photosynthの熊谷悠哉取締役に当時をふり返りながら、シニア人材活用のポイントについて語っていただきます。熊熊■■■■谷谷■■■■ 悠悠■■■■哉哉■■

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