エルダー2023年7月号
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①いきいき健康プログラムa 体力の見える化(体力測定)b 運動指導②健康チャレンジ8ょう・十分な時間をかけ、写真や図、映像など・心身機能の低下が労働災害につながるこ・心身機能の低下を客観的に認識させる。間の短縮、深夜勤務の削減、作業の配置転換などを行います。d 高齢者の特性をふまえた安全教育高齢者は、ほかの年代と比べ、十分な教育効果が見込めないといわれています。このため、以下の通り、高齢者向けの特別な安全教育が必要になります。を活用する。とを自覚させる。(3)企業の取組み事例企業における高齢者の安全確保の取組み事例として、トヨタ自動車株式会社、JFEスチール株式会社西日本製鉄所の取組みを紹介します※2。これらの事例は若い世代も対象となっています。事例1 トヨタ自動車トヨタ自動車では、高齢になっても活き活きと元気に働くには、体力の維持・向上、心身の健康の増進が重要とし、そのために、若年・壮年期からの意識変革を求めています。具体的な取組みは次の通りです。以下の取組みを実施しています。・上腕柔軟性、座位体前屈、座位ステッピング・社内運動トレーナーによる、加齢による腰(敏び捷し性)、2ステップ距離測定(バランス力)など、全9種目の体力測定の実施痛、肩こりに効果的なストレッチ方法等の実技指導(1回30分~1時間、数人~30人)や、活動量計の貸出による従業員の活動量計測(歩数、運動時間等)と結果のアドバイス八つの生活習慣「⒈適正体重、⒉朝食、⒊飲酒、⒋間食、⒌喫煙、⒍運動、⒎睡眠、⒏ストレス」を対象に、全社的に実践数の目標を設定し、職場単位の活動を推進しています。また、「健康スマホアプリ」により、歩数など活動量の見える化、各自の健康チャレンジ宣言の入力などにより、取組み意識を高め行動変容をうながしています。これらの結果、2020年末の全従業員の平均実践数は6・27(最大8)と(2020年初6・09)、目標値6・30に近づいています。事例2 JFEスチール西日本製鉄所JFEスチールでは、社の安全衛生方針「安全は全てに優先する」の「安全」と「体力」を結合し、高齢になっても安全で健康に働くために必要な体力を「安全体力R」とネーミングし、「安全体力R」測定ツールを開発しています。「安全体力R」のテストは、転倒、腰痛、危険回避、ハンドリングミスの四つのリスクを八つのテストでチェックします。結果は5段階で評価し、評価4、5は「安全域」、評価3は「維持域」、評価2は「要注意域」、評価1は「危険域」とし、評価1、2の者には改善意欲を高めさせています。2014(平成26)年、40歳以上の健康診断対象者(1703人)に転倒の有無に関するアンケート調査をしたところ、転倒経験者(159人)は非経験者より転倒リスクのテスト3項目の割合が高い結果となり、このテストの有効性が認められています。また、「安全体力R」維持のため、毎日実施する二つの職場体操を開発しています※3・※4。これらの取組みの効果として、筋骨格系疾患による休業日数が減少し、転倒災害が減少しています。4人おわりにも活き活きと元気で健康に働くため、企業は、職場環境改善、作業内容の見直し、体力チェックなどの推進が求められており、今後、精力的に取り組むことが期待されます。生100年時代を迎え、高齢者がいつまで23※2 中央労働災害防止協会「高年齢労働者が安全・健康に働ける職場づくり〜エイジフレンドリーガイドライン活用の方法〜」※3 職場体操1:筋骨格系疾患対策:「アクティブ体操®」PART1(https://www.youtube.com/watch?v=KPxt7vyQ6Zo)※4 職場体操2:転倒予防対策「アクティブ体操®」PART2(https://www.youtube.com/watch?v=LEr6r1Mxgu8)ん36歳以上の全従業員を対象に、4年に1度、

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