DIY実技研修の社内講師として熱心に指導■■■■■■■■「幅広い年代の従業員全員が働く意欲を維持し向上させる取組みとして、面談とコミュニケーションを重視しています。年一回実施する面談では評価シートを導入して評価を数値化しました。これは従業員のモチベーションアップにつながりました。自己採点方式のアンケートでは、仕事の適性、仕事のやりがい、あわせて職場環境についての生の声を募り、本人のキャリア形成や会社の施策に反映させています」(西森部長)寺本プランナーは2021(令和3)年4月に初めてフタガミを訪問。「初めて訪問した際、高齢者雇用への意識が高い企業であると感じました。高齢従業員が若手従業員のお手本となり、技術継承だけでなく組織風土の継承をになっています。高齢従業員が意欲的に働く姿は、ほかの従業員に刺激を与えてモチベーションアップにつながっていると思います。また取組みをヒアリングするなかで、従業員を大切にされている企業だとも感じました。現在は定年60歳、65歳までの再雇用制度を導入されていますが、より経験豊富な高齢従業員のスキルや能力を活かしていくために、定年年齢引上げの提案をしています」(寺本プランナー)今回は、定年後も職場で中心的な立場を任され、得意分野の仕事に打ち込む二人の高齢社員にお話を聞きました。西■岡■幸■則■さん(69歳)はものづくり好きが高じて39歳のときに販売員として入社し、独学で大工の技術を身につけ、入社三年目でDIYアドバイザーの資格を取得しました。現在はDIY実技研修の講師として、検定に臨む若手従業員を指導しています。同社は一般社団法人日本DIY・ホームセンター協会が行うDIYアドバイザーの資格取得を推進し、これまでに、のべ111人が合格しています。年一回実施される試験は筆記と実技からなり、実技については86歳の高齢従業員が中心となって研修を行い、西岡さんらとともに指導してきましたが、2023年度から西岡さんにバトンタッチして世代交代となり全面的に指導を任されました。「実技の試験は、普段機械を使うような作業でノコギリやノミを使うので、研修で学ぶ必要があります。試験を受けるからには全員一発合格を目ざして指導しています」と、西岡さんは意気込みを語ります。しかし、いままでに一人だけ初回での合格を果たせなかった若手がいたとか。「これが悔しくて悔しくて」とまるでいま起きたことのように悔しがる表情からは、心底熱心に指導していることが伝わってきました。講師の仕事以外に、店舗の什器、防災教室で使う模型などの制作も西岡さんが担当し、「使い勝手がよい」と評判です。制作のモットーは「期待以上のもの、自分がつくりたいものをつくる」とのこと。これが仕事を楽しむポイントになっているようです。商品管理課課長の武■田■順■一■さんは、「西岡さんは教え方がていねいです。事前の準備もしっかりしていて指導が的確。だから合格率が非常に高いのだと思います。きちんとした性格から什器の作品の仕上がりはきれいですばらしく、取引先からは『こんな人材がほしい』とうらやましがられ、私の妻はすっかりファンになってしまい、よく制作を依頼しています」と絶賛していました。西岡さんに職場の働きやすさについて聞くと、2023.738社内研修でDIY資格試験対策の実技指導をする西岡幸則さん(右)
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