エルダー2023年7月号
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第回■■■■私は埼玉県川口市の生まれです。地元の高校を卒業後、建築関係の大学に進み、外資系の石油元売り会社に就職しました。入社後、ガソリンスタンド施設の現場管理部門に配属されました。それから約10年後、本社勤務となり、プラントや企画の仕事を担当し、営業部門にも約10年かかわりました。そして、再び施設の現場管理の仕事に戻り、50歳になったとき早期退職しました。営業の仕事は以前から興味があったので、配属されたときはうれしかったです。ガソリンスタンドの営業は販売店に経営のカウンセリングなどをするのがおもな業務であり、さまざまな出会いのなかで学ぶことも多く、充実した日々でした。50歳で早期退職を選んだのは、仕事そのものへの不満ではなく、当時、石油会社の合併が急速に進むなか、会社の将来の姿が見えたような気がして迷うことなく選択しました。退職後はしばらく知人の仕事を手伝っていましたが、前職の会社が施設部門をアウトソーシング(外部委託)することになり、その外部委託された外資系会社から声がかかり、社員に採用されました。結局、石油会社にいたときと同じ業務を行うことになるのですから人生のめぐりあわせとはおもしろいものです。大幅に減額されるため、話し合って個人事業主として契約更改をしました。以後は、個人事業主として68歳まで働きました。はその状態を堪能していましたが、体を動かすことが大好きな私は、ずっと家にいることがだんだん苦痛になってきました。とりあえず民間の派遣会社に登録してみたものの、仕事を紹介してくれる方は、年齢を考慮してか「エクセルが使えることが前提ですから、星野さんにはむずかしいかもしれませんね」と頭から決めつけます。外資系の施設管理部門でしたから、いち早くパソコンの技術は身につけていましたが、人は年齢だけでこういう見方をするのだと愕■然■としました。き、偶然、地元千葉県にある柏■市生涯現役促進協議会のことを知り、思い切って窓口を訪ねました。2019(令和元)年6月のことでした。そのとき、窓口の担当者の方が「年その会社の規定では、60歳になると給料が次のステップアップを思い悩んでいたと■■星野さんは背も高く、筋肉質で精■悍■な雰囲気にあふれている。これまでの歩みを語る口調は淡々としつつも、強い意志で自らの運命を切り開いてきたことが想像できる。与えられた場所で全力を尽くす人生は出会いの連続2023.740総務部スタッフ星■■野■孝■■治■68歳で自由な時間を手に入れて、しばらくさん 星野孝治さん(73歳)は、外資系企業でガソリンスタンド施設の管理や営業職などに従事してきた。現在は、地元の会社に勤めながらさまざまなボランティア活動に参加するなど、多忙な日々を送る。「シニアががんばることで周囲を元気にしたい」と願う星野さんが、生涯現役で働き続ける極意を語る。株式会社クリエすずき建設高齢者に聞く83

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