エルダー2023年7月号
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日本ではジョブ型賃金は表1のイメージのような範囲給(レンジ給)と呼役割給の導入と定年後再雇用制度の再設計1ジョブそ型の賃ま金まので本は家で使あえるなアいメリカでは、図ばれる賃金管理手法が普及しています。これは、会社が定めた賃金水準の「ポリシーライン」を中心に、職務のグレードごとに賃金の上限・下限のバンドを設定します。その幅(レンジ)のなかで個別の賃金を決め、図の右側のような昇給率のガイドラインを用いて毎年の昇給を行います。レンジはポリシーラインに対する最高額〜最低額の比率(%)で表し、その仕事に十分習熟するまでの所要年数を想定して設定します。一般的には、仕事の個人差が少なく昇進機会の多い下位等級のブルーカラーや販売・サービス職などは時給制を適用し、グレードごとに単一金額を適用するシングルレートや、レンジ幅の小さい職務給(ペイ・フォー・ジョブ)を使います。評価は仕事のでき具合を○×式で簡単にチェックしたり、そもそも評価を省く会社も少なくありません。賃金は上位グレードの仕事に変わらD0%0%0%0%(注)標準的なB評価の場合、賃金の位置が下方4分の1の従業員は4%、下方4分2の従業員は3%、上方4分の3の従業員は2%、上方4分の4は1%の昇給率となるC0%0%1%2%B1%2%3%4%S4/45%7%3/48%2/49%1/4ないかぎり早く頭打ちになり、仕事がなくなったり、職務不適格と判断した場合は契約解除となります。他方、昇進機会の少ない上位等級のホワイト8326547職務給2023.742図表1 職務給の設計イメージミッドポイント±10%1©株式会社プライムコンサルタント 禁無断転載最高額第3四分位数中位額第1四分位数最低額評価別の昇給率A3%4%5%6%賃金の位置職務記述書2−3職務記述書2−2職務記述書2−1昇格職務評価職務のグレード習熟昇給ポリシーライン+10%〜20%ミッドポイント±20%レンジ給の設定例昇給ガイドラインの設定例株式会社プライムコンサルタント 代表 菊■■谷■寛■■之■■ 従来型のヒト基準の日本的人事制度が制度疲労を起こし、年齢や性別を問わず人材が 従来型のヒト基準の日本的人事制度が制度疲労を起こし、年齢や性別を問わず人材が活躍できるシンプルな雇用・人事・賃金制度に対するニーズが高まっています。今回は、正社員の年功的な賃金カーブを合理的に修正する役割給のコンセプトと、定年後再雇用にジョブ型賃金を導入する道筋を紹介します。33第3回シニア社員のためのシニア社員のための「「ジョブ型ジョブ型」」賃金制度の賃金制度賃金制度賃金制度賃金制度賃金制度賃金制度ののつくり方つくり方

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