(インタビュー/溝上憲文撮影/中岡泰博)人生100年時代、60歳からの40年を〝どう生きるか〟考える場を提供するを解決する活動者とプロデューサーを養成する目的で2017年度に開設されたコースです。ライフデザイン、コミュニティデザイン、ビジネスデザインの三つのコースがあり、定員は全部で30人。入学にあたっては履歴書と実現したいテーマに関するレポートを提出してもらい、面接も実施します。1年間学び、卒業時には修了証書に加え、「シニア地域プロデューサー」の称号がついた名刺を100枚差しあげます。現在は6期生が学んでいますが、これまで約120人が卒業しています。内山 過去の卒業生を含めたコーディネーターの情報交換会を、年に数回実施しています。例えば現役時代につちかった水力発電の経験を活かしたいと専門コースに入った方が、地域におけるエネルギー問題に取り組むべく、OBとの情報交換を通じて活動の幅を広げています。あるいはサツマイモを特産品にしたいという目標を持っていた集落営農組合員の1期生が専門コースで学んで計画を立て、最近、北アルプス山麓のスイーツブランドとして取り上げられた事例もあります。また、荒廃地を活用して近年ブームになっている黒ニンニクを栽培している人もいます。ユニークな活動では、1期生が立ち上げた「ゆる〜いおっさんの会」が県内でどんどん広がっています。立ち上げたのは現役の銀行員の方。定年退職が近くなるなかで「退職後はどうなるのだろう」という不安に駆られたのがきっかけとのことです。まだ何をするかが決まっていないが不安を抱いている60代半ばから70代前半ぐらいの男性が集まり、先輩の話やいろいろな活動について話を聞くなど、交流の場となっています。この交流を入口にさまざまな活動につなげていくのが目的です。都市部にかぎらず、長野県でも外で人と接することが少ない高齢者の孤独・孤立の問題を抱えています。会は長野市に始まり、佐久市にもでき、白■馬■村の準備会には40人以上が集まりました。参加者にどこに惹かれたのかと聞くと「ゆる〜いつながりがいい」といっています。 ■ 内山 100年時代になっています。60歳から100歳までの40年間をどう生きるかが問われています。その生き方は多様であってよいし、「生きた」という充足感を持ってまっとうするのが理想です。だれもがそうした願いを持っていても、どう具体化すればよいのかわからない人たちも多い。私たちの活動は「こうしなさい」、「社会に貢献をしなさい」ということではありません。気づきと学びの場を通じて、自分の人生をふり返り、どう生きていくのかを考える機会を提供していくことにあります。現役時代から人生100年を見すえたライフプランを考える機会を提供するなど後押しをしていただきたいと思います。同時に地域で暮らしている人たちが何を求めているのか、地域の課題に敏感になってもらい、できれば私たちと一緒に支えていただければと思います。人生60年時代から80年、そしていまは企業の方々には仕事だけではなく、社員が―卒業生はどんな活動をしているのですか。―あらためて長寿社会開発センターの意義とは何でしょう。また、地域を支える企業への要望がありますか。2023.74公益財団法人長野県長寿社会開発センター 理事長内山二郎さん
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