エルダー2023年8月号
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■■で情報交換を行い制度化し、労働条件の管理をしている関係部署との連携を取り撤廃に向けて準備を進めた。定年退職制度の撤廃が発案されてから実現まで、1カ月という短期間で進めたそうだ。そもそも同社では、以前より定年年齢を70歳と設定しており、砂川工場では70歳以上のシニアが働いているという実態もあった。同社で働くシニアはほとんどが砂川工場(現・みんなの工場)の勤務だ。住み慣れた地域、住み慣れた環境で働きたい人が多く、転職する人も少ない。1989年の創業時から勤務している人もいるという。今回の定年退職制度の撤廃は、希望すれば年齢の制限なく働けることを意味しており、社員の安心はもとより、地域の雇用安定にもつながる。「社員の平均年齢が34歳ということもあり、定年を迎える当事者の人数がかぎられている状況でしたので、大きなトラブルなどはありませんでした。今回の定年退職制度の撤廃により、社員の選択肢が広がったと考えています。キャリアの区切りをどこにするかを自身で決められ、会社としても、社員にあわせた最適なポジションを用意していきます」今回の定年退職制度撤廃とほぼ同時期に開始したシニア採用は、年齢とともに積み重ねてきた知見や経験を活かし、さまざまな分野で活躍してもらうことを念頭に置いた取組みだ。「例えば、法務・労務のような専門分野において、知見や経験を活かし、社員の変えるべき点や守るべき点などについて、意見を出してもらいたいと思っています。ほかにも製造機械の整備(自社工場のメンテナンス)、資材の発注(製造管理)、清掃業務などのポジションを用意しています。自社で製造から販売まで一貫して行っていますから、シニアに活躍してもらえるポジションがいろいろとあります。まずは現在募集している職種で、シニア採用の実績を残していきたいです」かを精査しつつ、体力などを鑑■みて、活躍してもらうポジションを双方合意のうえ決め、シニア採用の枠を広げていくという。方を相談しながら決めていく。雇用形態はパート・アルバイト、契約社員、無期社員(正社員)から選択でき、体力的にフルタイム勤務がむずかしい人には、時短勤務制度を積極的に活用してもらう方針だ。50時間から選択することができ、育児と介護を理由に活用されるケースがほとんどとなっている。兼業野球選手として二足のわらじを履く社員に対して、例外的に、事情を考慮して適用しており、取得理由についても柔軟に対応している。本人が力を発揮でき、やりがいが感じられる採用したシニアは、個別面談を通して、働き同社の時短勤務制度は、月あたり110〜1法務から清掃まで幅広くシニアを積極採用SHIRO表参道本店の内観17特集どっちがいいの?「定年延長」と「再雇用」エルダー

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