エルダー2023年8月号
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①会社の事業戦略にふさわしい組織設計を行い、経営成果を最大化させるポスト・職責を編成する。②組織の役割に求められる職責・成果責任の違いや、担当業務に求められる経験・熟練の違いに対応するキャリア段階に基づいて等級を区分する。③役割等級ごとに範囲給(バンドともいう)の上限・下限を設定し、そのなかに各人のこれまでの基本給を位置づける。④範囲給を貢献度に対応したいくつかの金額ゾーンに区分し、各人のゾーンの位置と貢献度の評価とを組みあわせて毎年の昇給・昇給停止・降給を実施する。⑤事業戦略と経営目標に連動した業績評価と期待役割に基づく行動評価を組みあわせて貢献度の評価を進め、賃金の運用に連動させる。⑥従業員の人員配置と昇降格を含めた役割等級の見直しを継続する。⑦年月の経過とともに世間相場を参照して範囲給の水準を見直し、各人の役割と貢献度に応じた基本給のバランスをつくっていく。役割給のモデル例と定年後再雇用賃金の設定基準1前回は役、割日給本企の業導の入メ・ン運バ用ーのシッ手プ順型の雇用・人事制度のもとで正社員にジョブ型賃金(職務給)を導入することの問題点を指摘し、柔軟な職務変更や人事配置にも対応できる「役割給」のコンセプトを紹介しました。役割給の考え方を再確認すると、「役割」とは割りあてられ、引き受けた役のことです。組織上のポストや職責に配置された従業員は、割りあてられた業務活動を引き受け、付随する成果責任をにない、組織的な成果の実現に貢献することが求められます。会社は、役割の遂行度合を業績・行動面から評価し、組織活動への貢献度合いや市場価値を参照しながら、各人の賃金処遇を決めていきます。役割給は通常、次のようなステップで導入・運用します。2役割等役級割は等、級図の表1具の体よ例うに企業規模によっ2023.838株式会社プライムコンサルタント 代表 菊■■谷■寛■■之■■ 従来型のヒト基準の日本的人事制度が制度疲労を起こし、年齢や性別を問わず人材が 従来型のヒト基準の日本的人事制度が制度疲労を起こし、年齢や性別を問わず人材が活躍できるシンプルな雇用・人事・賃金制度に対するニーズが高まっています。今回は、役割・貢献度に応じた役割給の導入手順と、定年後再雇用賃金の設定基準を紹介します。44第4回シニア社員のためのシニア社員のための「「ジョブ型ジョブ型」」賃金制度の賃金制度賃金制度賃金制度賃金制度賃金制度賃金制度ののつくり方つくり方

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