エルダー2023年8月号
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■■■l■■■深■谷■弘■一■さんというシニア人材と出会えたこ前回までは、当社のスタートアップにあたってシニア人材に何を求め、どのように採用・契約したのかをお話ししてきました。今回からは製品の開発段階から安定生産に至る過程で、実際に役立ったシニア人材ならではの知見や考え方、仕事に対する姿勢がもたらした結果などについてご紹介したいと思います。とで、量産化に向けたさまざまな課題をクリアできたのですが、もう一度当社のスタートアップ当時のことを時系列にそってふり返ってみたいと思います。まず、「物理的な鍵ってイケてないよね」という話から、いままでにない形のスマートロックの開発が始まりました。最初のプロトタイプ(試作品)はエンジニア経験者4〜5人で開発しました。IoT製品なのでハードウェア、組み込みソフトウェア、スマートフォンアプリ、Webアプリ、クラウドインフラなど広範囲をカバーする必要がありましたが、各領域を一人または兼務で担当することで、なんとか半年ほどでつくりあげることができました。ただき資金調達が可能になったのですが、そのころには、量産品の開発には自分たちの知見では限界があるだろうということに気づき、シニア人材を求めたという経緯です。る」、「スマートフォンとBる」、「モーターやセンサーでロックを動かす」という要素技術にフォーカスして、機能を絞って短期間でつくりあげました。そのため消費電力や筐■体■の小型化、耐久性や製造コストといった量産化には避けて通れない大切な要素は後回しになっていて、この欠けた要素を追求するためには「回路設計」が重要になっていました。定して動くというレベルが求められるので、マ試作品の完成をSNSや新聞に取り上げてい試作品が完成するまでは「鍵をデジタル化す例えば、量産品は何カ月も電池交換せずに安uetoothで通信す半年で試作品をつくりあげるも量産化には自分たちの知見だけでは限界がシニア人材との一体感でアドバイス以上の成果を獲得試作品まではコンセプトファーストで量産へ向けた課題にはシニア人材を活用スタートアップシニア人材奮闘闘記記2023.846フォトシンスフォトシンス 起業したばかりのスタートアップ企業においては、はじめてのことばかりで経営や事業にはうまくいかないことや課題にぶつかることが数多くあります。そこで、「スタートアップ企業にこそ、経験豊富で実務のノウハウを持ったシニア人材が必要」という声もあり、実際に、その経験を活かしてスタートアップ企業で働く高齢者も増加しています。 このコーナーでは、スタートアップ企業に必要なシニア人材をどう見出し、活用し、活躍に結びつけていくかについて、実際にスタートアップ時にシニア人材を採用し、現在も活躍中である、株式会社Photosynthの熊谷悠哉取締役に、当時をふり返りながらシニア人材活用のポイントについて語っていただきます。株式会社株式会社PPhotosynthhotosynth取締役取締役熊熊■■■■谷谷■■■■ 悠悠■■■■哉哉■■33第回

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